ちょっと興味深かった話


先日、仕事でレストランに伺う機会がありました。
そのレストランは、2000年から営業を開始し、今年で16年目とのことでした。
材料にこだわっていて、料理の味もとても良く評判のお店なのですが、
ここのところ経営状況に変化があったそうです。
経営状況というより、お客さんの動きがかわったことによる経営状況の変化といった方が正確です。


そのレストランのオーナーは、この15年、常に株価をチェックしていたそうです。
株価とお店の売上の連動を気にしていたそうで。
実際、お店の売上は株価と連動していたようです。
株価が高いときは売上がよく、低くなると売上も落ちたそうです。
その関連性が変わったというか、なくなったのが、いわゆるリーマン・ショック以後とのことでした。



2008年のリーマン・ショックを機にガクンと株価が落ちています。
それが上昇を見るのは、2013年頃からでしょうか。
レストランのオーナーのそれまでの経験によれば、株価があがってきた2013年から売上があがって良いのですが、まったくそんなこと起こらなかったそうです。
そして、2万円という「高いレベル」にある現在も全く売上があがる気配がないそうです。
具体的なお客さんの行動としては、例えばゴールデンウィークなどは動きが活発になってお店が混むそうなのですが、その前後は全くと言っていいほどお客さんの動きがないようなのです。
ゴールデンウィークのために前後を節約します」というスタイルになっているのではないか、とオーナーは語っていました。
それはゴールデンウィークだけなく、夏休みや年末年始など、1年のうちのいくつかの「山」でも同様であると。そのような状態はこれまでになかった、とのことでした。
「庶民」であるお客さんの動きが鈍ったら、「庶民」であるレストランのオーナーの動きも鈍ることは当然ですね。
株価が2万円を超えた、なんて、日経新聞やテレビで騒いでいますが、
景気をダイレクトに感じるお店を経営している人にはまったく関係のない話のようです。
「景気回復を感じますか?」といった質問をテレビなどでよく見ますが、
7、8割の人は「いいえ」と答えています。
そのことを改めて感じたレストラン経営者の話でした。
そもそも僕自身も「景気回復した!」なんて1mmも感じていませんが。


「株価が上がった」ということに対して、日本国民は比較的冷静のように感じます。
株価高騰によって、「これで景気もよくなる!」といった浮ついた感じをそれほど感じません。
むしろ、「株価があがっても、景気は良くならないだろ」といったある意味冷めた見方の方が大勢ではないでしょうか。
株価上げに一生懸命な政権に対しての、冷静な目にそれが繋がるように思っています。
それを僕は好ましく感じています。