今日買った本


なめらかな社会とその敵

なめらかな社会とその敵


ほぼ30代がはじまるタイミングで内田樹さんの書かれたものを
読むようになりました。
最初は「昭和のエートス」という本でした。
それまで内田さんのことは全く知らなかったのですが、
本屋で平積みされていた「昭和のエートス」に吸い寄せられ、
中身も読まずにレジに向かったのを今でもはっきりと覚えています。
新宿のジュンク堂でした。
何か見えない力によって引き寄せられた、といったらかっこいいのかもしれませんが、
理由はしっかりありました。
エートス」という言葉です。
その時期、小室直樹さんの本を集中的に読んでいて、
それらの中に度々「エートス」という言葉がでてきていました。
小室さんの本の中では「エトス」でしたが。
小室さんの本の中で触れるその言葉の意味を僕は「行動様式」と解釈していて、
その時期とても気になる言葉としてそれは自分の中にありました。
そんな感じでしたので、「昭和のエートス」という書名を見た瞬間に、
特に中身がどうこう関係なく即購入したのも自然のことでした。


「昭和のエートス」、正直読んでも何が書いてあるのか、わかりませんでした。
ところどころ分かるけど、読み終わって「はて?」という感じでした。
ただ、なんだかとても面白く、良いことが書いてある、ということははっきりわかりました。
その熱をもってすぐさま「街場の教育論」という内田さんの別の本を購入し、読みました。
これまたよく分からないところがありましたが、とても面白く、
次の、次のと繰り返し、5年ほど経った今でも、「昭和のエートス」から一時も内田さんの本を読んでいない時期がない、というくらいはまってしまいました。


そんな内田さんが絶賛する本が、鈴木健さん著「なめらかな社会とその敵」(勁草書房)です。
その絶賛ぶりは内田さんのブログ(http://blog.tatsuru.com/2013/02/13_0755.php)で読むことができます。
さきほど本屋さんで買ってきたばかりで中身をパラパラした程度ですが、
数式とか、見慣れない図とかがありました。
正直なところ、これまでそれほど触れてこなかったような種類の本ではあります(笑)。
読むのに難儀して、時間もかかるでしょうけど、今から読むのが楽しみです。
これまで内田さんから教えていただいた作家や思想家などの作品を数多く読んできました。
橋下治さん、白川静さん、小田嶋隆さん、九鬼周造さん、平川克美さん、鶴見俊輔さん、吉川隆明さん、平田オリザさん、養老孟司さん、、、、などなど、
素敵な方々を紹介していただきました。
さらには、それらの方々から新たな枝葉が増えていき、
内田さん以前には全く想像もできない読書ツリーが形作られて、現在に至ります。
このツリーはさらなる枝葉をつけていくと思いますし、
とても気に入っています。
このツリーの大元である、内田さんがオススメするのだから、
「なめらなか社会とその敵」も鈴木健さんも自然とツリーの一部になることでしょう。
だから、鈴木健さんのことも詳しくは知りませんし、
何だか馴染みの薄い種類の難しそうな本ではありますが、
読むのが楽しみなのです。