生出演「ジャーナリスト安田純平さん生出演〜3年間の拘束生活とシリア」


本日のTBSラジオ荻上チキ・Session-22」に安田純平氏が生出演するそうです。


11月15日(木)「ジャーナリスト安田純平さん生出演〜3年間の拘束生活とシリア」安田純平×山崎やよい×保坂修司×荻上チキ(TBSラジオ荻上チキ・Session-22」22時〜)
ホームページ【音声配信】「ジャーナリスト安田純平さんに聞く〜シリアで拘束された3年間」安田純平×山崎やよい×保坂修司×荻上チキ2018年11月15日(木)放送分(TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」22時~)


radikoでももちろん聴くことができます。
radiko.jp(ラジコ) | ラジオがインターネット(アプリやパソコン)で無料で聴ける


タイムフリーで放送後1週間聴けますので生で聴くことができない人はどうぞ!


また、「荻上チキ・Session-22」はホームページでも音声を聴くことができます。
こちらは期限は特にないと思います。(たぶん)
ホームページ荻上チキSession-22|TBSラジオFM90.5+AM954~聞けば、見えてくる~


「自己責任論」を吐き散らす人もそうでない人も必聴です。

知らずに賛成


もう1週間ほど前の記事ですが、衝撃を受けたので掲載しておきます。



「私自身も(種子法廃止の)中身が分からず(賛成に)起立した1人だ」


こんな人たちに日々の生活や国の形にかかわる法案が可決されていることに暗澹たる気持ち以外湧いてきません。


2013年成立の特定秘密保護法(特定秘密の保護に関する法律)
2015年成立の安保法(平和安全法制)
2016年成立のTPP(環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律)
2017年成立の共謀罪テロ等準備罪
2018年成立の高プロ制(働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律)
2018年廃止の種子法(主要農作物種子法)
そして現在行われている臨時国会での成立が目指されているといわれる、
・漁業法の改正
外国人労働者の受け入れ拡大(出入国管理法の改正)
・水道民営化(水道法の改正)
といった法案の数々。。。。。


これらの法律が「私自身も(種子法廃止の)中身が分からず(賛成に)起立した1人だ」とおっしゃる人々によって支えられ、成立しているのです。
ここに憲法も加えようとしているのでしょう。


この発言をしている竹下亘氏は、元衆議院予算委員長であり、元国会対策委員長であり、元自由民主党総務会長であり、元復興大臣の方です。
そんな“重要な”人がこんな体たらくなわけで。。


悲しい。


【参考】竹下前総務会長が市民団体に懺悔 「種子法」復活に光か?
竹下前総務会長が市民団体に懺悔 「種子法」復活に光か?|日刊ゲンダイDIGITAL

世界各国のツイッターにおける「アメリカ中間選挙2018」


本日、日本時間の11月7日にアメリ中間選挙が行われれました。
これを書いている11/7(水)19:39現在、上院では共和党過半数維持、下院では民主党過半数獲得といった結果がでているようです。


アメリ中間選挙が行われているこの日、世界各国のツイッターではどのようなことが話題になっていたのか? が気になり調べてみました。


Twittrend
https://twittrend.jp/


このサイトを基にしています。


イギリス、フランス、イタリア、ドイツ、オーストラリア、カナダ、アメリカ、日本の8か国と世界の9つです。
(韓国も画像のみ用意しますが、読めないので分かりません。韓国語がわかる方にご教授いただけると助かります)


各国の日本時間11/7の9:00、12:00、14:00、15:06におけるツイッターのトレンド入りワード上位10位までをまとめたものです。


アメリ中間選挙に関連している(だろう)ワードを赤い四角で囲んでいます。
それをもってその国におけるアメリ中間選挙への関心がある程度わかるのではないかと考えました。
(関連しているだろうワードの選定は僕が行いました。もしかしたら誤りがあるかもしれません)


以下の画像の結果を分析して「こうだ!」と愚見を述べたいのではなく、みなさんの何かの考える材料になれば嬉しく思います。
※ 画像の文字がよみづらく申し訳ありません。


それぞれの数字は、4つの時間帯におけるアメリ中間選挙の関連ワードののべ数です。


アメリカ】31


【イギリス】23


【フランス】8


【ドイツ】11


【イタリア】2


【オーストラリア】16


【カナダ】18


【日本】4


【世界】23


【韓国】

??

安田純平氏に関する自己責任論に僕が与さない理由


安田純平氏が10/25(木)に帰国しました。
「解放」「帰国」といった事実報道の次にきたのは、安田さんの行動についての様々な人からの言及です。
それは主にネット空間、とりわけSNSで行われています。


安田純平さんへの「自己責任」批判に賛否両論 著名人の見解まとめ」
安田純平さんへの「自己責任」批判に賛否両論 著名人の見解まとめ


有名な方々のツイッターでの発言です。
これらの発言の前提となるものは「自己責任論」です。
「安田さんの自己責任だろう」ということを軸に、「そうだ、そうだ」か、「いや違うだろう」にそれぞれの人が発言しているわけです。


そもそも「安田さんにおける自己責任論ってどんなこと?」を確認したいのですが、それは以下の言葉が端的です。

(ビート)たけしは「フリージャーナリストっていうのは現地へ行って記事を書いて、それを出版社に売って儲けるわけでしょ?戦場カメラマンと同じで、危険を冒してもいい写真を撮りたいわけじゃん。仕事のために危険を冒すのはリスクだから、それに政府がお金を出したのかどうかはわからないけど…どうなんだろうね」


ビートたけしが安田純平さんの自己責任論に同調「失敗したんじゃ」 - ライブドアニュース

「安田氏が拘束されたのは自己責任であるから、まず謝るべきだ」
「安田氏は救助費用を国に弁済するべきだ」


「自己責任論の正体【安田純平氏解放と日本型ネオリベラリズムの蠢動】」
自己責任論の正体【安田純平氏解放と日本型ネオリベラリズムの蠢動】(古谷経衡) - 個人 - Yahoo!ニュース


とても分かりやすい。
これらが安田氏に関する自己責任論の要点でしょう。
「危険なところにいって捕まったんだから自己責任だ。それに国がお金を出すのは違うんじゃないの」
ということですね。


それでは安田氏が拘束された2015年6月頃のシリアはどれくらい危険だったのでしょうか。
2016年2月19日のものですが、日本国外務省のシリアについての注意喚起をみてみます。


1.概況
(1)シリア国内においては、ISIL、ヌスラ戦線等のイスラム過激派組織、反政府武装勢力クルド勢力及びシリア軍・治安当局等の勢力が入り乱れて衝突しており、全土で多数の死傷者が発生しています。首都ダマスカス、アレッポやラッカを含むシリア全域で日本人渡航者・滞在者に深刻な危険が及ぶ可能性が極めて高い状況が継続しています。
(2)2015年、シリアにおける邦人殺害テロ事件が発生しました。ISILは、公開した映像の中で今後日本人が同組織の攻撃の標的となる旨警告しています。
(3)国際社会を中心にシリア危機を終結させるための努力が続けられていますが、一方でシリア情勢は短期間に改善する見通しが依然として立たないことから、ますます治安が不安定かつ流動的になる可能性もあります。また、ISILなどのイスラム過激派組織や犯罪集団等による誘拐・強盗等の凶悪犯罪が多発しており、極めて危険です。
(4)特にシリア北西部から北東部にかけての地域では様々な勢力が衝突を繰り返しているため、戦闘に巻き込まれる蓋然性が高く、ISILなどのイスラム過激派組織等に誘拐・拘束されるおそれもあり、非常に危険です。また、反政府勢力等が自主運営する国境検問所を通過してシリア領内に入域した場合は、シリア政府から不法入国の罪で逮捕・拘束されるおそれもあります。

2.各組織の活動状況または各地域の治安情勢
 1.概況のとおり。

3.誘拐事件の発生状況
(1)2011年3月のシリア危機勃発から現在まで、シリア政府軍・治安当局、イスラム過激派組織、反政府武装勢力クルド勢力等が入り乱れて衝突しており、シリア国内ではこうした混乱に乗じた形で、犯罪集団は、外国人・シリア人双方を標的とした身代金目的の拉致・誘拐・強盗を多数敢行しているほか、ISILなどのイスラム過激派組織は計画的に外国人ジャーナリストなどを拉致・誘拐しています。
(2)また、ISILは、2014年8月から断続的に、誘拐した外国人ジャーナリスト及び援助活動家等の殺害映像をインターネット上で公開するとともに、その支持者に対して、一部欧米諸国人を明示しつつ「連合」参加国の国民に対する攻撃を実行するよう呼びかけています。

4.日本人・日本権益に対する脅威
(1)2015年のシリアにおける邦人殺害テロ事件に関し、ISILは、今後日本人を更なる攻撃の標的とする旨警告しています。特にシリア国内においては、日本人がテロを含む様々な事件に巻き込まれる可能性が高く、極めて危険です。
(2)2012年8月、北部アレッポで、日本人ジャーナリストが取材中に銃撃を受け、死亡する事件が発生しました。首都ダマスカスにおいても爆弾テロ事件や砲弾の着弾が散発的に発生しており、日本人が巻き添えになるおそれも依然高いままとなっています。

(注記)
 「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要し、又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が、報道等の情報等に基づき、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり、本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。


海外安全ホームページ: テロ・誘拐情勢


となっています。


「深刻な危険が及ぶ可能性が極めて高い」
「ISILは、公開した映像の中で今後日本人が同組織の攻撃の標的となる旨警告しています。」
「ISILなどのイスラム過激派組織や犯罪集団等による誘拐・強盗等の凶悪犯罪が多発しており、極めて危険です。」
「反政府勢力等が自主運営する国境検問所を通過してシリア領内に入域した場合は、シリア政府から不法入国の罪で逮捕・拘束されるおそれもあります。」


繰り返し危険であることを記しています。外務省は相当「行かないでね」と行っています。
これをもって、「国が危険だと言っているところに勝手に行って捕まるのは自分が悪い」という自己責任論が生成されるのでしょう。


安田氏に関する自己責任論の肝は、
・国(権威をもつもの)の指示を無視したこと
・一般的に明らかに危険(悪い)と思われているもの、ことを実行していること
にあることがわかります。
もっと馴染みのある言葉があります。「自業自得」です。
自己責任なんていう、ちょっと形式ばった言葉で語られますが、要は「それお前が悪いんだろ?」という自業自得。


ここで重要なのは、安田氏に関する自己責任論は武装集団に誘拐されたという結果とともに、「国の指示」や「一般的常識」を逸脱したことをも射程にいれていることです。
ただ「武装集団に誘拐された」という結果だけで、それまでに日本国外務省の指示・忠告や一般的常識が醸成されていない状況であるなら、自己責任論は起きなかったでしょう。「不運な事件だ。かわいそうに」
具体的にその状況とは、日本国外務省が「シリアは危険」というメッセージを発していない、またその認識が一般的には語られていない状況です。
ということは、今回の自己責任論には「国の指示」「一般的常識」を逸脱したことも含まれているはずです。
「国の指示には従えよ」「みんなが危険って言っているだから危険なんだよ」
言うことを聴かない人が失敗したんだからそれは自業自得だよ、と。


安田氏の自己責任論に同調する人は、自分が病気になったとき「これは自己責任だ。国民健康保険は使わずに10割自己負担するぞ!」と元気に宣言しなくてはなりません。
日本国厚労省は様々な健康リスクについて見解を発表しています。


厚労省ホームページ>


睡眠
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf


たばこ
たばこ|厚生労働省


お酒
アルコール|厚生労働省


運動
身体活動・運動|厚生労働省


「良い睡眠」を規定・推奨し、「たばこ」、「お酒」の危険性を謳っています。
「運動をやりましょう」と言い、「野菜を一日350g食べましょう」と訴えています。
「適正体重を維持しなさい」「平均食塩摂取量を一日10g以下にしなさい」と忠告しています。


まだまだ数限りなく続くこの手のリスト全てをクリアしていないのであれば、「自己責任」として全て自分で医療費を負担すべきです。
なにせ「国が指示・忠告」していることであり、「一般常識」としても認識されていることなのですから。それらより逸脱しているのなら、選択肢は「自己責任」以外ありません。
安田氏に関しても
・国(権威をもつもの)の指示を無視したこと
・一般的に明らかに危険(悪い)と思われているもの、ことを実行していること
が自己責任論の論拠になっているのですから、それに加担する人は、自分も同じ基準で自分を処遇しないと道理が通りません。


そんな方々には朗報です。時の大臣がお仲間ですよ。

麻生氏は「おれは78歳で病院の世話になったことはほとんどない」とした上で「『自分で飲み倒して、運動も全然しない人の医療費を、健康に努力している俺が払うのはあほらしい、やってられん』と言った先輩がいた。いいこと言うなと思って聞いていた」と話した。


不摂生な人の医療費負担「あほらしい」に麻生氏が同調:朝日新聞デジタル


この方も病気になったら10割自己負担されるのでしょう。
厚労省の指摘や一般常識に登録されているリスト全てをクリアされているのなら別ですが。



僕は、国が指示することや一般常識を逸脱しない自信はありません。
何かしらで逸脱するでしょう。そして失敗するでしょう。
だからそうなっても助けてもらえる社会を望んでいます。
自分を守るためにも。
それが安田氏に関する自己責任論に僕が与さない理由です。

沖縄知事選に関する地方紙の伝え方〜社説より③


沖縄県知事選挙に関する地方紙の社説」を調べています。
今回は第三弾(最終回)。
四国新聞社〜南日本新聞までの11紙の社説を各ホームページで調べました。
以下が結果になります。
(47都道府県52新聞社のニュースと共同通信の内外ニュースを束ねた総合サイト「47NEWS」参加新聞社の社説を対象にしています)

第一弾 北海道新聞〜新潟日報までの19紙
第二弾 中部経済新聞〜山陰中央新報までの16紙


後に「2018年の沖縄県知事選のこと」を考える際の一つの材料になればと思います。


四国新聞
不明(ホームページで確認できず)
http://www.shikoku-np.co.jp/


愛媛新聞 10/2(火)
「沖縄知事選 辺野古移設反対を貫く民意重い」
※有料のため内容確認できず


https://www.ehime-np.co.jp/article/news201810020019


徳島新聞 10/2(火)
「沖縄知事に玉城氏 辺野古反対の民意は重い」
・政府は沖縄の民意と向き合い、話し合いを進めるべきだ。


・国は、移設工事の再開を目指し、法的対抗措置に乗り出す構えだが、民意に逆行すれば混迷の度は深まるばかりだ。


・玉城、佐喜真の両氏は日米地位協定に関して改定の必要があるとした。米軍機によるトラブルや米兵の犯罪が後を絶たず、県民は不信感を募らせてきた。

 全国知事会は8月、沖縄など米軍基地を抱える自治体の負担を軽減するため、日米地位協定の抜本的見直しを求める提言書を外務省に手渡した。沖縄の実情を共有し、共に解決の道を探っていくことが大切だ。


http://www.topics.or.jp/articles/-/107192


高知新聞 10/2(火)
「【沖縄知事選】政権は立ち止まり対話を」
・新たな基地は断固認めない―。沖縄県民はその意思の強さを再び明確に示した。安倍政権は強権的な姿勢を改め、沖縄の声に誠実に向き合い直さなければならない。


・玉城氏の得票は同県知事選で過去最多となり、基地建設を強行してきた政権への不信の高まりを映し出したといえる。


自民党などが国会議員らの投入や組織力で総力戦を仕掛ける対決になり、「国家権力対地方」という構図さえ色濃くした。


・安倍政権は力ずくで沖縄を揺さぶり、基地政策をごり押ししてきた。


・たとえ地域の疲弊に苦しんでいても、地方のプライドを踏みにじる政権の圧力には決して従わない。沖縄県民の不屈の意思表示だったともいえよう。


・安倍首相らは政権側が敗れた前回知事選後、翁長氏との面会をしばらく拒否した。沖縄の声を無視するような横暴で、子どもじみた対応は許されない。


・安倍政権は立ち止まり、沖縄との対話の場を再設定することから仕切り直すべきだ。
 安全保障は国の専権事項だとしても、負担や分断を強いられるのは常に地域だ。沖縄では米軍機の事故や軍人らの凶悪事件も後を絶たない。民主主義下の国との関係の中で、地域の「主権」や安寧をどう守っていくか。沖縄県民の審判は国民全てにその問いを投げ掛けている。


https://www.kochinews.co.jp/article/220206/


西日本新聞 10/2(火)
「沖縄知事選 この民意を無視できるか」


・繰り返し発せられる、沖縄の民意−。その重さを政府は無視できるのか。


・安倍政権は、選挙結果にかかわらずに辺野古移設を推進する構えだ。しかし、ちょっと待ってほしい。いくら外交・安保政策が政府の専権事項だとはいえ、ここまで明確に示される地方の声に耳を傾けようともせず、国家の力で押し切ることが民主主義の本意にかなっていると言えるだろうか。
立ち止まって、本当に「辺野古移設が唯一の解決策」なのかどうか、再検討すべき時だ。

・安倍政権は「辺野古移設が唯一」の固定観念を捨て、裁判所への申し立てや土砂投入をいったん据え置き、もう一度、沖縄と本土の基地負担のあり方や、日本国内における米軍展開の将来像などについて、検討すべきではないか。


・今回の選挙戦では、玉城氏だけでなく政権支援の候補も、日米地位協定改定の必要性を訴えた。在日米軍の特権的地位を認めた地位協定の改定は、移設容認か反対かを問わない県民の総意といえる。


・知事選で政権支援の候補が敗れたことは、「沖縄に寄り添う」と口では言いながら、実際には補助金経済振興策をちらつかせ、「アメとムチ」で地方を従わせようとする安倍政権の政治姿勢に対する不信の表れだといえる。


・異論に耳を貸さない強引な政治手法を続ける安倍政権に対し、地方から異議申し立ての声が上がり始めたのではないか。


・国内の米軍基地の規模は現状で適正なのか。本土が負担の一部を引き受ける方策はあるのか。「沖縄が反対している」と遠くから眺めるのではなく「じゃあ私たちはどうする」と踏み込み考えることが、沖縄と本土の溝を埋め、基地問題解決を促す力となるはずだ。

https://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/454322/


大分合同新聞
不明(ホームページで社説を確認できず)


http://www.oita-press.co.jp/


宮崎日日新聞 10/2(火)
「沖縄知事に玉城氏」


辺野古移設反対を明言する知事を再び選んだ県民の意思は明確と言える。


辺野古移設の是非を再検討すべきだ。


・私たちが考えるべきなのは、移設の是非を巡る選択を沖縄県民に問い続ける現状でいいのかという問題だ。(中略)日米同盟を維持するのであれば、全国で基地を負担し、その縮小を目指すべきではないか。


共同通信が県知事選の期間中に実施した世論調査では、沖縄県民の安倍内閣支持率は27%にとどまり、不支持率が59%に上る。「安倍1強体制」と言われるが、政権の地方の基盤は揺らいでいる。


沖縄県に関する課題も選挙戦で明確になった。一つ目は、普天間飛行場の早期の運用停止だ。
二つ目は、日米地位協定の抜本改定だ。(中略)
三つ目は、経済振興策だ。(中略)安倍政権は辺野古移設に反対すれば沖縄振興予算を減らすという「アメとムチ」の対応を取ってきた。その姿勢が県民の不信を深めていることを省みるべきだ。


http://www.the-miyanichi.co.jp/shasetsu/_34757.html


10/17(水)の社説でも沖縄県関連のものが掲載されていました。


「政府と沖縄県


・移設に反対して政府と対峙(たいじ)した翁長雄志前知事の遺志を継ぐと知事選で訴えた玉城氏が「今回の選挙で民意が示された」と指摘した選挙結果を考えれば、基地建設は強行できないはずだ。


・菅氏は知事選後、沖縄の米海兵隊のグアム移転計画について「辺野古移設と結果的にリンクしている」と、移設が実現しなければグアム移転も進まないとの認識を示した。だが日米両政府は2012年に移設とグアム移転は切り離すことで合意。沖縄に圧力をかけるような発言は看過できない。


・安保政策は国の専管事項だとしても、基地運用には地元の理解が欠かせない。だが沖縄の声は切り捨てられてきた。翁長氏の県民葬では「県民の気持ちに寄り添う」という首相のメッセージを代読した菅氏に対し、参列者から「うそつき」などと厳しい怒声が上がった。県民の思いを安倍政権は真剣に受け止めるべきだ。


http://www.the-miyanichi.co.jp/shasetsu/_35029.html

長崎新聞 
不明(ホームページで社説を確認できず)


佐賀新聞 10/2(火)
沖縄県知事選 辺野古移設の再検討を」


辺野古移設反対を明言する知事を再び選んだ県民の意思は明確と言える。


辺野古移設の是非を再検討すべきであり、まずは政府と新知事との対話を求めたい。


・私たちが考えるべきなのは、移設の是非を巡る選択を沖縄県民に問い続ける現状でいいのかという問題だ。(中略)日米同盟を維持するのであれば、全国で基地を負担し、その縮小を目指すべきではないか。


共同通信が県知事選の期間中に実施した世論調査では、沖縄県民の安倍内閣支持率は27%にとどまり、不支持率が59%に上る。「安倍1強体制」と言われるが、政権の地方の基盤は揺らいでいる。


沖縄県に関する課題も選挙戦で明確になった。一つ目は、普天間飛行場の早期の運用停止だ。
二つ目は、日米地位協定の抜本改定だ。(中略)
三つ目は、経済振興策だ。(中略)安倍政権は辺野古移設に反対すれば沖縄振興予算を減らすという「アメとムチ」の対応を取ってきた。その姿勢が県民の不信を深めていることを省みるべきだ。


https://www.saga-s.co.jp/articles/-/283385
※ 宮崎日日新聞とほぼ同じ内容。社説を共有しているのか??


熊本日日新聞
ホームページでの社説掲載期間が1週間のようで、沖縄県知事選挙直後の社説を確認できないため不明。
ただ、「首相・沖縄知事会談 「辺野古」白紙に戻し対話を」の見出しで10/13(土)に社説掲載あり。


「首相・沖縄知事会談 「辺野古」白紙に戻し対話を」


・政府は「唯一の解決策」としていた辺野古移設をいったん白紙に戻し、丁寧に対話を進めるべきだ。


沖縄県が8月に実施した埋め立て承認の撤回に対し、政府は工事再開に向けて執行停止申し立てなどの法的措置で対抗する構えだが、安全保障環境の変化も踏まえ、基地移設の妥当性を再検証すべきだろう。



・そもそも、基地問題について沖縄県は「米軍による戦後の土地強制接収が原点」と主張。日本の法令が及ばなかった米統治時代からの歴史的問題と捉えている。そういう意味では、現法令下での手続きの正当性のみを問うことになる裁判で、決着できるような性質の問題ではなかろう。


・首相は玉城氏との会談で「戦後70年たった今なお、米軍基地の多くが沖縄に集中している。大きな負担を担っていただいている現状は到底、是認できるものではない」とも述べたという。

 そういう認識であるならばなおさら、政府は安易に司法に判断を委ねることなく、日本の戦後処理に関わる極めて政治的な課題として基地問題に取り組むべきだ。


https://kumanichi.com/column/syasetsu/669147/


南日本新聞 10/2(火)
「[沖縄知事選] 辺野古反対の民意重く」


・移設反対を明言する知事を再び選んだ県民の意思は明確である。政府は示された民意を重く受け止めてほしい。


・政府は早急に新知事と対話の場を設け、事態打開の道を探るべきだ。


・安倍政権はこれまで、辺野古移設に反対すれば沖縄振興予算を減らすという「アメとムチ」の対応をとってきた。そうした姿勢に県民が不信感を深めていることを反省し、改める必要がある。


・まず、普天間飛行場の2019年2月までの運用停止を、安倍政権は仲井真弘多県政時代に約束している。着実に進めてほしい。


日米地位協定については、玉城氏も佐喜真氏も「不平等だ」と改定を訴えた。政府はこれまで「運用の改善」という小手先の対応をしてきたが抜本改定が必要だ。
 そのほか、経済振興策や全国最低水準にある県民所得の向上も求められる。
 在日米軍専用施設の約70%が沖縄に集中し負担を強いている。政府は沖縄発展のため、課題解決に誠実に取り組んでもらいたい。


https://373news.com/_column/syasetu.php?storyid=96715



以上になります。

沖縄知事選に関する地方紙の伝え方〜社説より②

「沖縄知事選挙を地方紙はどうに伝えたか?」
の第二弾になります。地方紙の社説でどのように沖縄知事選を取り上げたかを調べ、各地方の言論活動の中心の一端を担う地方紙の沖縄県への意識を確認するものです。
第一弾はこちら
沖縄知事選に関する地方紙の伝え方〜社説より① - 森の中の畑は森か?


私が住む群馬県では上毛新聞という地方紙が発行部数でNo.1です。読売新聞よりも朝日新聞よりも多いです。
媒体資料|上毛新聞ニュース
(2014年の数字で少し古いですが)


地方によってはこのように地方紙が発行部数一位、というところはあるのではないかと思います。そのようなところでは理屈でいえば、他のどの新聞よりも地方紙を読む人が多く、社説においても他の新聞のものよりも多くの人の目に留まっているといえます。社説が世論に大きな影響を与えるなどというお気楽な解釈はしていませんが、相対的に他新聞よりも多くの人の目に留まっていること、その地方の問題意識を下敷きにした上で論じられていることの2点において、地方紙の社説の読者へのアピール力は軽視できないのではないかと思っています。
「現政権に対して各地方紙はどのように考えているのか?」ということを知るのは、地方が主役ともいえる来年の統一地方選参院選を考えるうえで一つのカギになるではないかと思います。それを考えるために「地方vs中央」が明確になっていた今回の沖縄知事選挙は最適と言えます。


この選挙結果について各地方紙はどのような軸で伝えるか?
端的にいって、沖縄県に同調するのか、政府に同調するのか。


それが来年の統一地方選参院選について伝える基軸になるのではないかと考えるのです。


今回は第二弾として、中部経済新聞山陰中央新報までの16紙を確認します。



中部経済新聞
不明(ホームページで確認できず)


伊勢新聞 10/2(火)
見出しなし
・知事選勝利が弔い合戦の奏功か歴史教育の浸透かで辺野古を巡る今後も変わってくるに違いない。新知事の役割は国との対立ばかりではない。四日市公害に無関心な県のようになってしまっては遅い。
http://www.isenp.co.jp/2018/10/02/23479/


静岡新聞
なし(社説で取り上げられていない)


岐阜新聞
不明(ホームページで社説を確認できず)


北日本新聞 10/2(火)
「民意は「辺野古ノー」/政府は強硬姿勢改めよ」
※有料のため内容確認できず
http://webun.jp/item/7504251


北國新聞
不明。ホームページでは最新の社説のみ読むことができ、過去のものがわからない。


福井新聞 10/2(火)
「国は民意に背を向けるな」
・これが沖縄の民意だ。
・「沖縄に寄り添う」と言いつつ辺野古一辺倒にまい進してきた安倍政権は、再びノーを突きつけた民意にこれ以上背を向けてはならない。
・「1強」による居丈高な進め方への批判は、安倍晋三首相が3選を決めた自民党総裁選で地方票の45%が対抗馬の石破茂元幹事長に流れたことでも明確になったばかり。沖縄県知事選の敗北は、改めて政権の地方基盤の揺らぎを示したといえる。来年の統一地方選参院選に向け、どうすべきかを考える時が来ている。
・首相は「選挙結果は真摯(しんし)に受け止める」と述べた。ならば辺野古の是非を再検討すべく、まずは新知事との対話をすぐにでも行うべきだ。
日米地位協定の抜本改定にも取り組む必要がある。
・玉城氏が訴えた「アイデンティティー」は、在日米軍基地の7割の集中を強いられる沖縄が自己決定権を取り戻そうという翁長氏の理念である。どの地方自治体にとっても欠かせない理念であるからこそ、無関心ではいられないはずだ。沖縄を注視していかねばならない理由がそこにある。
http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/711160


京都新聞 10/1(月)
「沖縄に新知事  「基地」に新たな視点を」
・県民は、辺野古移設に改めて「ノー」を突き付けた。
・佐喜真氏の敗北は、安倍晋三政権が進める移設に対し、県民の抵抗感が根強いことを改めて示した。
・安倍政権は重く受け止めてほしい。同時に、国民全体も沖縄の意思を理解しなければならない。
・米軍基地が安全保障面で重要であればこそ、安倍政権は米国や他府県とも協議して、沖縄の重い負担を軽減するためのあらゆる可能性を探るべきだ。まずは、新知事と誠実に向き合ってほしい。
・基地を沖縄だけの問題にせず、日本全体の課題として考えようとの機運が生まれている。米朝関係の改善など東アジア情勢が大きく動く今こそ、基地の必要性も含め、新たな視点で基地問題をとらえ直す好機ではないか。安倍首相は沖縄の現状から目をそらさず、事態打開に踏み出してほしい。
https://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20181001_4.html


神戸新聞 10/2(火)
「沖縄知事選/辺野古への民意は明白だ」
・県民の民意は、辺野古移設に対して明確に「ノー」を示した。
・政府は、移設が普天間の基地負担を解消する唯一の策であるとの立場を変えず、米国との合意を強調する。しかし批判の声は、政権運営の強硬姿勢にも向けられていることを認識しなければならない。
・前回の知事選で自主投票だった公明は、佐喜真氏を推薦したが、出口調査では支持者の27%が玉城氏に流れた。組織力の強さで知られる党としては異例の事態だ。
・ただ、玉城氏が移設を阻止できるかは見通せない。
・法廷で勝っても、根本的な解決にはならず、むしろ溝を深めるだけだろう。なぜ県民がこれだけ反発するのか、国は動きを止めて冷静に考えるべきだ。
・新知事の任期中に、沖縄は本土復帰50年の節目を迎える。基地問題の解決の道を、日本全体で考え直す契機としたい。
https://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/201810/0011693846.shtml


奈良新聞
なし(ホームページで社説コーナーを確認できたが、沖縄知事選については取り上げられていない)


紀伊民報 10/2(火)
沖縄県知事選」
・米軍基地の辺野古移設問題などで示された安倍内閣の強引な手法への反発。それが党派を超えて存在し、政府の横暴は許さない、沖縄には沖縄の心がある、という県民の意志が表に出たということだろう
・この声に耳を傾け、県民の心情に寄り添わないかぎり、沖縄の民は離れていく。それを示した選挙だった。
http://www.agara.co.jp/column/mizu/?i=359081


山陽新聞 10/2(火)
沖縄県知事選 政府は対話を再開させよ」
沖縄県民は4年前と変わらず、辺野古移設に「ノー」の意思を示した。2度の知事選で示された民意を、政府は真摯(しんし)に受け止めるべきだ。
・総力戦で敗れたことは、自民党総裁に3選されたばかりの安倍晋三首相にとっても痛手だろう。
・知事選の結果を受け、安倍首相は「選挙結果を真摯に受け止める」と述べた。そうであるなら、これまでの強硬な姿勢をまずは改める必要がある。今月4日に知事に就任する玉城氏は「はなから対立や分断の立場を取るつもりはない」とし、国と協議したいとの意向を示している。政府は速やかに、沖縄県との対話を再開するべきだ。
http://www.sanyonews.jp/article/799155/1/?rct=shasetsu


中国新聞 10/2(火)
「沖縄新知事に玉城氏、政権は民意に寄り添え」
・4年前に続き、移設反対の民意が示されたことになる。普天間の閉鎖・返還にめどを付けないまま、移設をごり押しする政権への強い反発があるのは間違いあるまい。
・移設が本当に「唯一の解決策」なのか、立ち止まって再検討すべきである。
・玉城氏の知事就任で、まず注目されるのは政権側のスタンスだろう。
・玉城氏は知事選から一夜明けたきのう、政権との関係について「はなから対立や分断の立場を取るつもりはない。忌憚なく意見交換したい」と早期の面会に意欲を示した。安倍首相は、翁長氏の時のような態度を取ってはならない。
・今こそ普天間飛行場の運用停止と辺野古移設と切り離し、進める道を模索したい。日米両政府の1996年の返還合意は、辺野古移設が前提ではなかった。米朝関係の改善など東アジア情勢の変化を踏まえ、再検証の余地があるのではないか。
・米軍基地を巡っては、沖縄だけでなく日本全体の問題として捉える機運が少しずつ生まれている。全国知事会は7月、日米地位協定の抜本的な見直しや基地の縮小・返還を求める提言書を全会一致で決議した。本土の私たちが傍観者にならず、沖縄とともに声を上げる姿勢が、政府のかたくなな態度を変える潮流になるはずだ。
http://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=469892&comment_sub_id=0&category_id=142


日本海新聞
不明。ホームページでは最新の社説のみ読むことができ、過去のものがわからない。
http://www.nnn.co.jp/column/


山口新聞
不明(ホームページで社説を確認できず)


山陰中央新報
不明(ホームページでは5日間分の社説のみ読むことができ、過去のものがわからない。)
http://www.sanin-chuo.co.jp/www/contents/1539048907845/index.html

沖縄知事選に関する地方紙の伝え方〜社説より①

沖縄知事戦について地方紙がどのような捉え方をしているのか。
それがとても気になりました。


沖縄は現在の日本において最も象徴的な「地方」です。当然この「地方」は、「中央」=政府の存在を前提とするものです。現在「地方」と「中央」を考えるとき、どうしても、まず沖縄と政府の関係性が浮かんできます。
その関係性は時代を二つ、三つさかのぼって見られるような古典的なものといえはしないでしょうか。つまり、「中央の意向と地方の意向が真っ向から衝突している状況で、中央が地方を【アメとムチ】を使って地方を屈服させようとしている」といった関係性です。それは中央と地方の関係性において前近代的なものだと僕は思いますが、それに対し近代を象徴するものの一つ【選挙】で明確に「否」を突きつけたのが9/29(日)に投開票が行われた沖縄県知事選挙だったと思います。
「地方」は彼らの歴史において大なり小なり「中央」との前近代的な関係性の記憶を持っていることでしょう。それは以前より見えにくくなっているだけ=「中央」からすれば巧妙になっているだけで今でも変わらない関係性なのかもしれませんが、それが露骨なまでに、グロテスクなまでに表面化しているのが今の沖縄県においてです。その姿を見ることは、「地方」にとって絆創膏で覆われた生傷に塩を塗られるようなものなのではないか、と僕は考えます。「沖縄県、君たちの気持ちはわかるよ」という「地方」の声が聞こえてくるようです。それを声に出すか、心の中で思っているだけかの違いはあれ。
そんな「地方」にとって、今回の沖縄知事選挙は、【同胞が勝った選挙】と言えるものと思います。もちろん各地方の知事が支持政党が自民党公明党だから政府側を応援していたということではなく、「中央」に対する「地方」という意味においてです。


「地方」の声を聞きたいと思いました。それを調べるものとして地方紙に注目しました。地方紙はその地方の情報を主に伝えています。国民全体にかかわる情報ももちろん伝えますが、「○○地域のイベント」や、「○○公民館がオープンしました」など、地域に密着した情報も多くの紙面をさいて伝えます。その伝える相手は、他地方(他県)の人ではなく、あくまで「その地方」の人です。僕は群馬在住なので、地方紙といえば上毛新聞ですが、上毛新聞の購読者は群馬県の人です。逆にいえば、群馬県の人に受ければ良いのが上毛新聞です。他地方紙も同様です。購読層に受ければいのです。
それを前提にすれば、紙面の一つである社説ももちろんその地域に住む人々へ向けて作られたものと考えることは可能でしょう。社説はその新聞社の考えを表明するとともに、「購読者(=「地方」に住む人)に受ける内容はどんなものだろう?」ということを考えた結果のものと言えるのではないでしょうか。それを前提として社説を読むといろいろなことがわかるような気がします。


沖縄県知事選を「地方」で言論活動を行う地方紙はどのように伝えたのか?
それを調べました。方法として、各地方紙の社説で沖縄選挙結果について、
1、そもそも社説で取り扱ったか 2、どのような内容だったか
を調べました。
地方紙の定義として、「47都道府県52新聞社のニュースと共同通信の内外ニュースを束ねた総合サイト」である『47NEWS』(https://www.47news.jp/)に参加している報道機関、としました。各ホームページで「社説」(またはそれに類するもの)を確認しました。「上毛新聞」については、ホームページに社説が掲載されていないので、実際の紙面で確認しました。


「地方」の他の「地方」への声を聞くとともに、「中央」に対する声も聞くことを意図しています。
安倍政権は「地方」において重要な投票で実質的に二連敗しました。自民党総裁選、沖縄知事選においてです。(自民党総裁選では地方党員票で55%取りましたが、国会議員投票や党員締め付けなどを考えると明らかに「敗北」でしょう)
来年2019年には統一地方選参議院議員選挙が控えます。まさに「地方」の審判が示される機会になります。それらにおいて安倍氏が勝てるのか? そこまで視野を意識して地方紙の社説をみていきたいと思います。
(今回は第一段として北海道新聞新潟日報までの19地方紙について調べました。)


北海道新聞 10/1(月)社説
「沖縄知事選 新基地拒否で県政継続」
・国は、県による辺野古沿岸部の埋め立て承認撤回に対し、法廷闘争などに踏み切るべきではない。
・移設反対の声が広がった背景には、安倍政権が米軍基地の県内移設を推進するため、経済振興を絡めて、アメとムチとも言える「上から目線」のやり方を続けていることへの怒りがある。
・国は県民の分断を招くような手法は改める必要があろう。
・選挙戦で玉城、佐喜真両氏はともに在日米軍の法的地位を定めた日米地位協定の改定の必要性を訴えた。全国知事会も協定を抜本的に見直すよう提言している。こうした声を受け、国は協定の改定に向けて取り組むべきだ。


河北新聞 10/2(火) 社説
「沖縄知事に玉城氏/対立構図脱する道はあるか」
・移設問題はもう一度、原点に立ち返って考えるべきだろう。普天間飛行場を取り囲んで住宅地が広がり、小学校があり、大学がある。移設の最大の目的は、世界で最も危険とされるこの飛行場の危険性除去だったはずである。
・翁長氏の知事在任時は、この原点が置き去りとなった印象が拭えない。辺野古移設に反対なら反対として、実現可能な具体的な対案をある程度は提示するのは知事に求められた責任ではなかったか。
 むろん、代替案は国が考えるべきだという県側の主張には理がある。しかし、さまざまな行政手続きを重ね地元の意向も取り入れてまとめた移設案を政府が容易に放棄することはあり得まい。
共同通信社が投開票日に実施した出口調査によると、辺野古移設に「反対」「どちらかといえば反対」と答えた人はほぼ6割。知事選の結果と共に、政府はこうした数字を重く受け止めるべきで、これまで以上に県民に対して丁寧な説明が必要になろう。
 新知事もまた、これまでの経緯にかかわらず、何らの成果も生んでいない不毛な対立構図を脱し、仮に現実的な方策があるのだとすれば、青写真を早急に県民に対して示すべきではないか。


東奥日報 10/3(水) 持論
辺野古移設」まず対話を/沖縄県知事
辺野古移設反対を明言する知事を再び選んだ県民の意思は明確と言える。
・政府と県が法廷闘争も含めて対立する事態は県民も望んでいないだろう。辺野古移設の是非をあらためて検討すべきであり、まずは政府と新知事との対話を求めたい。
・私たちが考えるべきなのは、移設の是非を巡る選択を沖縄県民に強い続ける現状でいいのかという問題だ。現在、在日米軍専用施設の約70%が沖縄に集中する。日米同盟を維持するのであれば、全国で基地を負担し、その縮小を目指すべきではないか。
沖縄県に関して早急に取り組むべき課題も選挙戦で明確になった。一つ目は、普天間飛行場の早期の運用停止だ。
・二つ目は、日米地位協定の抜本改定だ。
・三つ目は、経済振興策だ。安倍政権は辺野古移設に反対すれば沖縄振興予算を減らすという「アメとムチ」の対応を取ってきた。その姿勢が県民の不信を深めていることを省みるべきだ。


デーリー東北 10/2(火)  社説
沖縄県知事選 民意は明確に示された」
・2014年の前回知事選に続く政権支援候補の敗北で、移設反対が沖縄の民意であることを明確に示したといえる。
・玉城氏は翁長氏同様、日米同盟自体を否定する立場を取っているわけではない。だが、在日米軍専用施設の70%以上が沖縄に集中。県民は米軍人による度重なる凶悪犯罪や、米軍機の相次ぐ事故に苦しめられてきた。両氏はこうした不条理を是正してほしいという県民の切実で、ごく当たり前の願いを代弁することで知事選を勝ち抜いた。
・日米同盟の円滑、かつ効果的運用には米軍施設の周辺住民の納得と理解が必要不可欠となる。県民の大多数の反対を押し切って辺野古沖の新基地建設を強行しても反発を招くばかりで、日米同盟の強化にはつながらないのではないか。
米朝両国は歴史的な首脳会談を機に、北朝鮮の非核化に向けた協議を継続している。日本政府も硬直した立場に固執すべきではない。
自民党総裁選で連続3選を果たし、内閣改造に踏み切る安倍晋三首相は今回の選挙結果で冷や水を掛けられた気分だろう。これを契機に、今度こそ本当に「沖縄県民に寄り添っていく」姿勢に転じなければならない。


秋田魁新報 10/2(火) 社説
「沖縄知事選 真摯に民意受け止めよ」
沖縄県民が移設反対の意思を再び明確に示した事実は極めて重い。(中略)県民から突き付けられた「辺野古ノー」の思いを重く受け止め、真摯(しんし)に対応しなければならない。
・佐喜真氏は政権の意向を受け、経済振興子育て支援などに重点を置く一方、移設の是非には触れず「辺野古隠し」を徹底した。(中略)最大の争点について論戦を避ける姿勢はいかにも姑息(こそく)だった。
・政府は「辺野古移設は唯一の解決策」と言い続けている。民意を無視して再び辺野古移設工事を強引に進めれば、溝は一層深まるばかりだ。速やかに玉城氏との協議に臨み、辺野古移設の是非も含め、沖縄の基地負担軽減に向けた具体策に本腰を入れるべきだ。


山形新聞 10/4(木) 社説
「沖縄知事に玉城氏 国はまず対話すべきだ」
・「安倍1強体制」は永田町では依然として盤石なのかもしれない。一方、地方ではどうか。
・来年の統一地方選参院選に向けて、地方の政権基盤は必ずしも盤石でないことが示されたのではないか。
・当選した玉城氏も、争点となった普天間飛行場辺野古移設に関し「国とまずは協議したいと伝えたい。はなから対立や分断の立場を取るつもりはない」と述べている。一方、菅官房長官は記者会見で「移設と普天間返還を早期実現する考えは何ら変わらない」と強調した。このような硬直的とも受け取られかねない反応では、国と沖縄県の平行線の姿勢が交わることはない。
沖縄県外に住む私たちはもちろん投票の主体ではない。だからといって、基地問題が自分たちとは無関係な別世界の話と考えてはなるまい。
・知事選を通じ、他にも早急に取り組むべき沖縄県の課題が浮き彫りになった。その一つに日米地位協定の抜本改定が挙げられる。
経済振興策も重要だ。玉城氏、佐喜真氏とも、全国で最低水準にある県民所得の向上や子どもの貧困の解消を訴えた。安倍政権は辺野古移設に反対すれば沖縄振興予算を減らすという「アメとムチ」の対応を取ってきた。その姿勢が県民の不信を深めていることを省みるべきだ。沖縄の諸問題は、国と地方の関係が最も先鋭化した形で表れたものなのである。


岩手日報 10/2(火) 論説
沖縄県知事選 政府の反応を注視する」
・岩手から遠く離れた沖縄県の知事選に注目するのは、安全保障という国の専権に、地方の意思はいかに反映されるのか、あるいはされないのかという点にある。
・事実上の一騎打ちとなった前宜野湾市長佐喜真淳氏に約8万票の差がついたのは、まさしく「沖縄の意思」と言える。
・前回知事選に続き、名護市辺野古への新基地建設に改めて「ノー」を突きつけられた安倍政権の問題対応が、これまで通り強硬一本やりでいいとは到底思えない。
・米側さえ「世界一危険な飛行場」と認める普天間の日米返還合意から22年。問題の長期化で諸情勢が刻々変化する状況は、現政権の責任で改めて辺野古移設の意義や根拠を説く必要性を際立たせる。
 それなのに「辺野古移設が唯一の解決策」の一辺倒で、県民に説明を尽くす好機に沈黙するのでは、争点隠しを疑われても仕方ない。
・返還で合意した当時の橋本龍太郎首相は、代替施設を用意するとの条件にも「地元の頭越しには進めない」と強調していたものだ。国と地方の関係性は、辺野古移設問題を象徴として当時から随分と後退していないか。地方にあって、それはストレートに共有できる課題認識と言えよう。


上毛新聞 10/2(火)
辺野古移設、再検討を」
・菅官房長官は「辺野古移設の方針は変わらない」と強調した。民意に真正面から向き合う考えはないのか。
・移設の是非をめぐる選択を沖縄県民に強い続ける現状でいいのか。かつて本土に置かれた米軍基地は地域の反対運動に遭って沖縄に移され、今では在日米軍専用施設の約70%が沖縄に集中する。日米同盟を維持するのであれば、全国で基地を負担し、その縮小を目指すべきではないか。
共同通信が知事戦の期間中に実施した世論調査では、沖縄県民の安倍内閣支持率は27%にとどまり、不支持率が59%に上る。政権の地方の基盤は揺らいているのではないか。
・安倍政権は辺野古移設に反対すれば沖縄振興予算を減らすという「アメとムチ」の対応を取ってきた。その生死が県民の不信を深めていることを省みるべきだ。


神奈川新聞 10/4(木)
沖縄県知事に玉城氏 「辺野古ノー」に応えよ」
・「辺野古に基地はいらない」という県民の強固な意思の表れである。
・安倍政権は沖縄が重ねて示した「辺野古ノー」の民意に従い、「辺野古が唯一の解決策」と繰り返す硬直した姿勢を改め、計画を白紙に戻した上で、新たな方策を新知事と模索すべきだ。
・本来なら争点に据えられるべき政策も都合が悪ければ正面から取り上げない。民主主義の礎である選挙を軽視する振る舞いは国政でも散見される。
・外交、安全保障は国の専権事項だからと、圧倒的な数の力を頼んで、本土の意向が沖縄の意思を抑えつけるやり方は民主主義ではない。知事戦ではこうした姿勢にもノーが突き付けられたと言えよう。
・安倍政権を生んだのは国民だ。だから挙措の責任の一端を担う。移設計画の白紙化こそ、沖縄のこころに真摯に向きあうことに他なるまい。


山梨日日新聞 10/2(火)
「重い魂の飢餓 辺野古再考を」
※ 有料のため中身確認できず


信濃毎日新聞 10/2(火)
沖縄県知事選 政府が方針を改めねば」
・再び示された民意に政府は正面から向き合わなければならない。強引な姿勢を改める必要がある。
・結果は8万票の差をつけての当選である。沖縄県知事選で過去最多の票を得た事実は重い。
安倍晋三首相は「選挙結果を真摯(しんし)に受け止める」としつつ、「沖縄の振興、基地負担の軽減に努める」とこれまで同様の発言をしている。菅氏は「移設と普天間返還を早期実現する考えは何ら変わらない」とする。今回も沖縄の民意に応えようとはしない。
・政府が強硬な姿勢を変えなければ、今後も国と県の対立が続く。
・訴訟の結果、工事を再開できたとしても、ごり押しは県との間に深刻な溝を残す。重い基地負担を背負い続けてきた沖縄の声を踏まえ、米側と交渉するのが政府の本来の姿ではないか。
・政府は、辺野古移設を前提とするのでなく、県との話し合いによる解決に向けて努力すべきである。


新潟日報 10/2(火)
「玉城氏勝利 政権は強硬姿勢を改めよ」
・沖縄の民意は改めて「辺野古ノー」を突き付けた。安倍政権は強硬姿勢を反省し、県民の思いを丁寧にくみ取らなければならない。
・前回知事選では、移設反対を掲げた翁長氏が辺野古埋め立てを承認した現職に勝った。辺野古移設に反対する県民の思いが根強いことを示したといえる。
・移設反対派に勝った名護市長選の再現を狙ったが、こうした「争点隠し」の戦略も県民の不信を招いたのではないか。
・自民、公明両党支持者の4分の1は玉城氏に投じ、与党は支持者すら固めきれなかった。地方の異論に聞く耳を持たず、国策を強引に進める安倍政権のやり方に身内から反発が出たといっていい。
・政権がまずなすべきことは新知事や県の言い分に耳を傾けることだろう。対立を話し合いで解決することこそが政治の根幹だ。民意をないがしろにしてはならない。
 首相と石破茂元幹事長が争った党総裁選では地方票の約45%が石破氏に流れた。それに続く知事選敗退は「安倍1強」下での政権運営そのものが問われていると見て差し支えあるまい。
 首相はきちんと向き合うべきだ。言葉だけの「真摯」や「謙虚」で済ませてはならない。


福島民報
社説での言及なし


室蘭民報
社説での言及なし


福島民友新聞
社説での言及なし


下野新聞
社説での言及なし


千葉日報
社説での言及なし


茨城新聞
??
ネット上で社説が当日のものしか見ることができないため。


埼玉新聞
??
ネット上で社説の掲載がないため


注目は、「福島民報」と「福島民友新聞」の福島県二つの地方紙で取り上げられていないことです。
福島第一原発事故で「中央」との関係を意識せざるを得ない状況になった福島県の地方紙二紙がそろって沖縄県知事選に社説で言及していないのです。
福島県知事選が10/28にあることが影響しているのかもしれません。二紙とも社説で福島県知事選のことを10月頭に取り上げています。
「県民に予断を与える情報を伝えたくない」ということかもしれないし、「中央を刺激したくない」ということかもしれません。
しかし二紙揃って同じような対応をしたのはガッカリです。統制されているのか、と思うほど同じような対応をしています。
そんな情報機関は信用を失うでしょう。