「知らなかった」では済まされないこと


参議院議員選挙が迫ってきています。


結果次第では「改憲」が議論の最前線にのぼってくることは間違いありません。
自民党公明党の選挙公約でそれがいかに無視されようと。
改憲」の大きな指針になるのが、自民党が2012年に作成した憲法改正草案でしょう。
この代物のヤバさは様々なところで既に語られています。


ここで読むことができるので是非読んでいただきたいです。
自民党支持者の方も、そうでない方も。
https://www.jimin.jp/activity/colum/116667.html


その中でも最初に自民党改憲を狙っているといわれるのが、「緊急事態」条項です。

(緊急事態の宣言の効果)
第九十九条 緊急事態の宣言が発せられたとき
は、法律の定めるところにより、内閣は法律
と同一の効力を有する政令を制定することが
できるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支
出その他の処分を行い、地方自治体の長に対
して必要な指示をすることができる。


2 前項の政令の制定及び処分については、法
律の定めるところにより、事後に国会の承認
を得なければならない。


3 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何
人も、法律の定めるところにより、当該宣言
に係る事態において国民の生命、身体及び財
産を守るために行われる措置に関して発せら
れる国その他公の機関の指示に従わなければ
ならない。この場合においても、第十四条、
第十八条、第十九条、第二十一条その他の基
本的人権に関する規定は、最大限に尊重され
なければならない。


4 緊急事態の宣言が発せられた場合において
は、法律の定めるところにより、その宣言が
効力を有する期間、衆議院は解散されないも
のとし、両議院の議員の任期及びその選挙期
日の特例を設けることができる。


簡単に言えば、
「内閣が緊急事態と認定した状況において、内閣は法律と同じ効力をもつ政令をつくることができる。そして何人もそれに従わなければならない」
といった感じでしょうか。
内閣のフリーハンドを認める条項です。
この条項の判断はさまざまあるのでしょうが、僕は大反対です。
その理由の最大のものは、この条項(他の条項もですが)が、筋の悪い人たちが考え、仮に制定されたらそんな筋の悪い人たちへフリーハンドを与える可能性のあるものだからです。


筋の悪い人たち例

国民の生活が大事なんて政治はですね、私は間違ってると思います。今私たちが生きているのは、私たちの今の生活が大切なんじゃんくて先人から引き継いできた・・・世界中で日本だけが、同義大国を目指す資格があるんです。」



(14:30頃〜)
安倍内閣法務大臣を務めさせていただきました長勢甚遠でございます。民主党政権のでたらめ・・・・戦後レジーム、敗戦体制もいよいよここまで来たか、それの象徴が民主党政権だと思います。安倍総理戦後レジームから脱却と言われたときに、私も感銘を受けて一緒に行動してきました。・・・・・・国民主権基本的人権、平和主義、この三つはマッカーサーが押し付けた戦後レジームそのもの、この三つをなくさないと本当の自主憲法にならないんですよ


こういう人たちが緊急事態条項をどのように使うのか。それを想像しただけで怖いです。


なお、現在の安倍内閣の閣僚24人中、21人が所属している「日本会議」の最大の目的のひとつは「緊急事態条項の創設」だそうです。
(「日本会議の研究」菅野完 扶桑社新書


与党を支持するか、しないかは別にして一度は自民党憲法草案は是非読んでいただきたいです。
選挙後に「知らなかった」では済まされません。