アメリカ軍海兵隊の将校へのインタビュー記事

百田尚樹氏が「本気でつぶれたらいい」と語る沖縄の新聞を米軍はどう思っているのか?海兵隊将校に聞いた」
という元NHKアナウンサーの堀潤さんによるインタビュー記事がありました。
百田氏云々は別にして、沖縄にいる米海兵隊の将校、ルーク・クーパー氏へのインタビューです。
「何でも語ります!」といったものでは当然なく、あくまで米海兵隊将校としてのものなので、
一線を超えるものではありませんが、ところどころ重要な示唆があると思います。
ちょっと長いですが、とても勉強になると思いますので、是非ご覧いただければと思います。


百田尚樹氏が「本気でつぶれたらいい」と語る沖縄の新聞を米軍はどう思っているのか?海兵隊将校に聞いた」(ハフィントンポスト 6/29)
http://www.huffingtonpost.jp/jun-hori/okinawa-marrine-shinbun_b_7682186.html?ncid=tweetlnkjphpmg00000001


いくつか気になった部分。

海兵隊としては相互に日米安全保障条約機構があるので、辺野古に移設されても、どこに移設されても、適切に移設先が決まるまでは普天間での運用を続けます。

Q
日本では地理的に沖縄でなくてはいけないという意見と、九州などでも可能だという声があります。かつて日本の元防衛大臣が「沖縄辺野古への移設は地理的な問題ではなく、政治的な問題だ」と発言したこともあります。例えば九州などでも海兵隊の任務は可能なのでしょうか?


A
海兵隊は与えられた場所で作戦を全うするというのが任務ですので、必ず任務を遂行する方法を見つけなくてはいけません。海兵隊は空陸任務部隊というのが基本になっていまして、航空部隊と地上部隊と、兵站部隊、その3つが一緒に活動しているのが海兵隊ですので、それらは近くにいなくてはならないというのはあります。海兵隊の中心的部隊というのは航空部隊が岩国や普天間にありまして、韓国、ハワイにも分散されて航空部隊が配備されていますが、それぞれの地域から必要な任務を遂行できるようになっています。


先ほども説明しましたが、フィリピンにいてそこから急遽ネパールの支援に行きました。そういう形で海兵隊というのはその時の状況に応じて臨機応変にその場その場で迅速に対応するという部隊です。それに必要な条件というのが、空陸任務部隊というのが海兵隊の特徴ですので、空と陸と兵站部隊が常に緊密に活動するというのが条件になっています。海兵隊としては、次の代替施設が作られて運用が可能になるまで、海兵隊の運用は普天間基地で継続していきます。

Q
沖縄にアメリカ軍の基地が集中していて、本土の方でも受け入れに関する議論がされていけばよいなと思っています。米軍の基地が沖縄に集中している利点は何か?逆にリスクはどんな点にあるのか教えて下さい。


A
これは日米政府間で決められて、海兵隊は行けと言われたところに行って任務を全うしているので海兵隊としての意見というのはありません。政府間で決められたところに我々は行きます。それがグアムかもしれないし、ハワイかもしれないし、そこで任務を全うします。移設先がどこであっても、辺野古かもしれないし、グアムかもしれないし場所はわからないのですが、私たちが言えることは、移設先が適切に準備されていて、移設に向けた段階がスムーズに行われて、その時に運用が止まるということがないように全てがスムーズに移行されることが大切です。移行の間に、有事が起きたり何かが起きて対応が遅れるというのはあってはならないと思っています。

Q
総合的な計画を定めていけば、様々な選択肢を日本側で用意するのは不可能ではないということですね。


A
※だまって頷く。

Q
地元の新聞メディアは反対の意見が大勢を占めていて偏っているという声も聞きますがどう捉えていますか?


A
自分は海兵隊員として、また広報官として自分の任務はアメリカであったり、米軍受け入れのホスト国に対して情報をできるだけ公開する、できる限りの情報を開示するというのが任務だと思っています。相手の報道が否定的であろうとなかろうと、そうでなかったとしても、ネガティブに書かれたとしても同じようにメディアを招待しますし、できるの情報をできる限り公開していこうと思っています。情報をどう伝えるかは相手のメディアによりますからそれは相手に任せることになります。私の任務は情報を公開するということに努めています。

海兵隊としては、基地が辺野古なくても良い。どこでもそれに対応する準備をする。その準備に支障がなければどこでも良い。


海兵隊は「航空部隊と地上部隊と、兵站部隊、その3つが一緒に活動している」
  ⇒ 航空部隊、地上部隊という戦闘部隊と、兵站部隊(後方支援部隊)は一緒に活動することになっ
ているとのこと。決して兵站部隊(後方支援部隊)のみ、「安全が確保されている場所で(自衛隊は)後方支援をする」(安倍氏の5/20党首討論での言葉。http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK20H2E_Q5A520C1000000/)ものではない。
海兵隊という部隊戦闘のプロが認識する、「戦闘部隊と兵站部隊との一体化の必要性」は認識しておくべきことのように思います。