気になるニュース 2015/2/4


「大丈夫?」と心配したくなるニュースがありましたので取り上げます。

イスラム国寄り」?発言、野党・元官僚続々


 ■「口実を与えたか検証」「殺人の引き金」


 イスラムスンニ派過激組織「イスラム国」の日本人人質「殺害」事件をめぐり、安倍晋三首相の対応が「(事件を起こす)口実を与えた」といった指摘が野党から相次いでいる。「話ができる集団ではない」(菅義偉(すが・よしひで)官房長官)相手との交渉の余地がない中、「イスラム国が口実とした」とは表現せず、政府の責任追及の材料とする意図が透けてみえる。こうした批判は過去に政府の中枢を担った元官僚からも続出している。(酒井充)


 ◆首相「気配り不必要」


 「質問はISIL(イスラム国)に対し批判をしてはならないような印象を受ける。それはまさにテロリストに屈することになる」


 首相は3日の参院予算委員会で、質問に立った共産党小池晃政策委員長を、こう突き放した。小池氏は首相が1月17日にエジプトで行った演説で、イスラム国対策として2億ドル(約236億円)の人道支援を表明したことを追及。「拘束された日本人に危険を与える可能性があったのではないか」と再三問い詰めた。


 首相は「過激主義と戦うイスラムの国々をしっかりと支援していくと表明することが極めて重要だ」と強調。「テロリストに過度な気配りをする必要は全くない」と声を張った。


 共産党も含め野党各党はイスラム国を非難しているが、小池氏のように「イスラム国側に立った視点」も目立つ。民主党枝野幸男幹事長は1日、首相の支援表明について「口実を与えるようなことにつながっていないか検証したい」と記者団に語った。言葉を選びつつも、口実を与えた可能性があるのは首相だと言わんばかりだった。


 イスラム国に対峙(たいじ)する中東諸国への2億ドルの人道支援の一部は、平成26年度補正予算案に盛り込まれている。政府が補正予算案を閣議決定したのは、人質事件が明らかになった1月20日より前の1月9日。この時や首相演説時に懸念を示す野党は見当たらなかった。


 ◆解放へ首相辞任提案


 イスラム国側に一定の理解を示すような言動は元官僚からも出ている。


 駐イラン大使の経験がある孫崎享氏はツイッターで「安倍発言で殺人の引き金」などと投稿。小泉純一郎政権などで5年近く安全保障・危機管理担当の官房副長官補を務めた柳沢協二氏はインターネット番組で、人質解放のための首相辞任を提案した。


 元経済産業省官僚の古賀茂明氏は1月23日のテレビ朝日番組で、「首相は有志連合の仲間に入れてほしいと思っている」「首相は本当は空爆や武器供与を願っている」と根拠不明の持論を展開。外交や危機管理の専門家とは言い難い古賀氏の主張は6分以上続いたが、司会者が逆の立場から発言することはなかった。


産経新聞 2/4
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150204-00000088-san-pol


産経新聞は僕の考え方と相容れないことが多いのですが、
だからこそ勉強になると、ネットが主ですが読んでいます。
しかし、この報道はひどすぎる。
怒りとかではなく、「この記者、大丈夫か?」と心配さえしてしまう内容です。
それは、内容が過度に政権よりということではありません。
(そんなことはいつものことです)


この記者の認識は、
「日本に「イスラム国」側に立っている国会議員がいる」
という恐るべきものです。
今回の人質殺害事件において、どの党も、どの国会議員も「イスラム国」を擁護する発言をしたという事実を僕は聞いたことがありません。
むしろその行為を非難しています。
引用記事における小池議員も明確に「イスラム国」への非難を述べていました。
(下記動画冒頭において)
仮にそのような言葉がないとしても、「「イスラム国」側に立つ国会議員がいる」という認識をもつということはいかがなものでしょうか。
常識的に考えてそんな国会議員がいるはずありません。
世の中に様々な価値感があることは当然ですが、人を殺すことも厭わない「イスラム国」の行為に対して好意的な価値感をもつ国会議員などいるはずない。
僕は、「イスラム国」の行為を非難する、ということは、「人を殺してはいけません」と同じくらい当然の価値感だと思います。
日々自分たち、自分たちが支持する党と相対する意見や考えをもつ党や議員だからといって、それすら信用できないのでしょうか?
常識的な前提ですら?
率直に思うことは、「こんな稚拙な認識で敵と味方を分ける人間とは話ができないな」ということです。
この人は決して「敵と味方の枠組み」を変えることはないでしょうし。


僕は、自分と違う意見、考えをもつ人と話すことを拒否しませんし、むしろ刺激的で楽しいと感じることもあります。
しかし、それは「話ができる人」であることが前提です。
人の話を聴くことがでない。人が話しているときに遮る。人の意見に対してこれみよがしに嘲笑する。
そんな「話ができない人」には近よらないようにしています。
この記事の記者は典型的に「話ができない人」だと僕は思います。
彼は、「「イスラム国」側に立つ国会議員と元官僚がいる」という認識をしていますが、
それは発言内容をしっかり確認してのことか大いに疑問です。
小池議員の質問に関しては、安倍首相の回答のみから話を作っているのではないか。
記事中の元経済産業省官僚・古賀茂明氏の発言自体に関しては、そもそも「イスラム国」側に立つとか、どうかとは関係ない主旨にもかかわらず、「イスラム国側に一定の理解を示すような言動」をする元官僚というくくりにいれています。
「まとめて批判します(ちょっとずれる人もいるけど)」という、知的怠慢による狡さがここにはあります。
この人は、最初から答え(安倍首相の発言を正解とする)があり、それを元にして反対する者を「「イスラム国」側に立つ国会議員、元官僚」という常識に反するような謗りで規定する、という典型的な「話のできない人」の様相を呈しています。
このような記者が産経新聞を代表するとは思いません。
他にしっかりした記者もいることでしょう。
しかし、「産経新聞とは話ができないのかな」と思わざるを得ない記事でした。


記事中で話題になっている小池議員の質問を下に書き起こしました。
何度かよみ、発言動画もみましたが、僕には小池議員が「「イスラム国」側に立つ議員」であるとは全く思えませんでした。

小池議員の質問書き起こし


小池議員質問
「二人の拘束の事実を知りながら首相が中東訪問でとった言動。特に1月17日にエジプトでとった言動について聞きます。総理は1月17日のエジプトでのスピーチでイラク、シリア、そしてトルコ、レバノンへの支援は、「イスラム国」がもたらす脅威を少しでも食い止めるためと述べて、このパネルにあるような表現をされました。「地道な人材開発、インフラ整備を含め、ISILと戦う周辺諸国に総額で2億ドル程度支援をお約束します。」このフレーズの中には、非軍事の人道支援という表現をされましたが、湯川さん、後藤さんが「イスラム国」に拘束されていると知りながらこういう演説をやれば、二人の日本人に危険が及ぶかもしれない、この認識は総理にあったのか、なかったのか、お答えください」


(安倍首相回答)


小池議員質問
「私が聞いたのは、危険がある認識があってスピーチをしたのか、という一点を聞いているのです。テロに屈するということと、慎重に言葉を選ぶということは私は違うと思うんです。総理はこのスピーチをどういう認識で、危険を与える可能性があったんではないか、私の質問に正面から答えていただきたい」


(安倍首相回答)


小池議員質問
「私は過度な気配りをしろなんて言っていません。テロを許さないということは明確に言っています。ただ言葉は慎重に、総理の言葉は重いわけですよ。そのことを踏まえて行動されたのか、ということを検証しているわけです。実際に総理は殺害予告が出されたあとの20日イスラエルの内外記者会見ではこういっています。「我が国が発表した2億ドルの支援は地域で家をなくしたり、避難民となっている人たちを救うため食料や医療サービスを提供するための人道支援です。まさに避難民の方々にとっても最も必要とされている支援であると考える」これ言い方変わってますよ。総理がエジプトで行ったスピーチが拘束された日本人にとって危険をもたらすものであるという風に考えたからなんではないですか?そこを正確に答えてください」


安倍首相回答
「小池さんのご質問はまるでISILに対して批判をしてはならないような印象を我々は受けるわけでありまして、それはまさにテロリストに屈することになるのだろうとこう思うわけであります」


8:50くらい〜14:15くらい