小渕優子氏衆議院議員選挙出馬を考える

僕は小渕優子氏の選挙区に住む有権者です。
今回の小渕氏の出馬には、かなりかなり(×10,000)の人が「おかしい」と思っているのではないでしょうか。僕も当然そうおもっています。
当たり前すぎてあまり相手にもされていないので、選挙区有権者の責任としてこの件について考えてみたいと思います。


昨日第47回衆議院議員選挙が公示され、小渕優子氏の出馬が決定しました。
経済産業大臣をわずか一ヶ月半で辞任した人です。
その理由は、政治資金収支報告書に記載された観劇会の収支と支出に大きな食い違いがあることの責任をとって、ということ。
その件について内容をざっと振り返ります。

小渕氏を巡っては政治団体小渕優子後援会」(群馬県中之条町)と「自民党群馬県ふるさと振興支部」(同県高崎市)が10年と11年、東京都中央区の「明治座」で地元女性支持者向けに共催した観劇会について、計約3400万円を支出した一方、観劇料としては計約740万円の収入しか政治資金収支報告書に計上していなかったことなどが発覚。差額を政治団体が負担していれば、公職選挙法の利益供与に抵触するとの疑惑が浮上した。
 さらに、小渕氏の資金管理団体から百貨店のベビー用品や化粧品、著名デザイナーズブランドなどへの支払いも確認され、「公私混同ではないか」と批判が出ていた。


毎日新聞  http://mainichi.jp/graph/2014/10/20/20141020k0000e010181000c/001.html


支出と収入に大きな差があり、これが


記載ミス ⇒ 政治資金規正法違反
支出―収入の差額を小渕氏が負担 ⇒ 利益供与で公職選挙法違反


となり、いずれにせよ法律違反となります。
どう転んでも今回みつかった(今でも続々新たな食い違いの報道があります)政治資金収支報告書の収支食い違いは違法です。
ただ、政治資金規制法違反と公職選挙法違反では責任が及ぶ先に違いがあります。
連座制の有無です。


政治資金規正法違反(連座制なし) ⇒ 政治団体の責任者である、前中之条町町長であり元秘書・折田謙一郎氏や関係者
公職選挙法違反(連座制あり) ⇒ 小渕氏本人にも及ぶ


となります。
連座制とは、

選挙違反を犯した人の立場と量刑によって、候補者の当選が無効になる制度。総括主宰者や出納責任者などが執行猶予含む罰金刑以上になった場合、もしくは親族や秘書が執行猶予含む禁錮刑以上になった場合、候補者の当選が無効になる。


であり、公職選挙法違反となれば小渕氏は議席を失います。
先に引用した毎日新聞の記事は、2010年、2011年の政治資金収支報告書に食い違いがあったということでしたが、その後2013年も収支に差異があることが判明しました。(2012年は観劇会の収支報告そのものの記載がない、とのことです)

小渕優子衆院議員の関連政治団体の不明朗会計問題で、2013年に開かれた小渕氏の支援者向けの観劇会で収入と支出に少なくとも約780万円の差額が生じていることが分かった。群馬県選挙管理委員会が26日公表した政治資金収支報告書で明らかになった。


http://mainichi.jp/select/news/20141126k0000e040201000c.html


これは極めて重要なことで、前回選挙2012年の後にも違反をしていました。
ということは、今回の選挙で仮に小渕氏が当選しても、現在行われている東京地検による調べによって、公職選挙法違反となれば議席を失う、ということです。
(「雲隠れ」小渕優子の窮地 最大の敵は東京地検 http://dot.asahi.com/wa/2014111800101.html
(うちの近所に住んでいる「関係者宅」にも家宅捜索が入ったそうです)


ここで二つのことを考えてしまいます。
一つは、今のタイミングで出馬するということは、小渕氏は公職選挙法違反にならないという確信を持っているのではないか、ということ。
検察と自民党で既に話がついているとなれば、とても怖い話であり、当然問題です。
もう一つは、仮に当選した後に公職選挙法違反の連座制議員辞職となれば、補欠選挙がおこなわれるわけで、そのコスト(関係職員の業務時間・エネルギー、有権者の時間・エネルギー、お金など)がかかることについてどのように小渕氏は責任をとるのか、ということ。
いずれにせよ、問題であることは間違いありません。
連座制が適用されずに小渕氏本人に責任が及ばない(と思われる)政治資金規正法違反となっても(=議員辞職なし)、今回のような大規模な収支差異において小渕氏にまったく責任がない、などと言うことはできるでしょうか。刑事罰がないからといって、「潔白です」と小渕氏は言えるのでしょうか。


どうに転んでも、小渕氏の出馬は問題があると僕は考えます。
(「小渕優子個人として、恥ずかしくないのか?」とも僕は思います。)

小渕優子氏、涙の訴え「もう一度スタートラインに戻る」
http://www.sankei.com/politics/news/141202/plt1412020053-n1.html


スタートラインに立つ前にやることはたくさんあるのではないでしょうか?