「戦争をさせない1000人委員会・群馬」


8/23(土)に、「戦争をさせない1000人委員会・群馬」という会合に参加してきました。

戦争をさせない1000人委員会とは
安倍政権は、昨年12月、多くの人々の大きな反対の声をねじ伏せ、憲法の三原則である「国民主権」や「基本的人権」を侵害する「特定秘密保護法」を強行採決・成立させました。さらに、今度はもうひとつの原則「平和主義」を規定した憲法9条を空文化する「解釈改憲による集団的自衛権行使容認」「国家安全保障基本法強行」へと踏み込もうとしています。このままでは、日本は、「地球の裏側」まで、場所を問わず戦争に参加できる国となります。


私たちは、戦争への道を突き進む政府の暴走を阻止し、一人ひとりの平和に生きる権利を守りぬくための運動として、「戦争をさせない1000人委員会」を全国的に立ち上げることにしました。


ここに連帯のアピールを発するとともに、すべてのみなさんに「戦争をさせない1000人委員会」運動への参加を呼びかけます。どうか私たちの思いに賛同いただき、この運動の発展のためにお知恵とお力をお貸しいただけますよう、心よりお願い申し上げます。


http://www.anti-war.info/about/


このような組織で、日本全国で32県に既にあるとのことです。
計画中・準備中を含めると40県(都道府?)という数になり、そのうち全都道府県47になるのかもしれません。


のらりくらり会場にいってみたらびっくり。
警官がそこら中にいるではありませんか。横断歩道に、会場駐車場に、入口に。会場内にはいった後に3階から裏側を見たら、ぐるぐる警官が回ってたので会場を取り囲んでいたという表現がぴったりです。写真撮ろうとしたら睨まれたので撮るのを断念しましたが(笑)。
その理由は、政治家がこの会合に出席していたからです。
社民党党首の吉田忠智氏と、民主党参議院議員江崎孝氏の二人が出席していました。
「党首自らとはえらいもんだなあ」と思いましたが、社民党は現在衆参あわせて5議員のようなので、党首もフル回転なのでしょうね。
確か代表選に吉田氏の他に、世田谷区議が立候補したと思いますが、
その人が代表になっていれば何だか面白かったなあ、と吉田氏を眺めながら思いました。
吉田氏には失礼な話ですが(笑)。


ただ、僕は会合に参加したのは政治家の話を聞きたかったからではありませんでした。
東京新聞論説委員・半田滋さんの話を聞きたかったからでした。
半田さんは、「安倍政権と集団的自衛権のトリック」という題名の講演をするため、出席していました。
半田さんの著書『日本は戦争をするのか--集団的自衛権自衛隊』を読んでいたこと、そして日々の東京新聞紙面での集団的自衛権に関する論説を読んでいたので、生で話を聞ける機会があったら聞いてみたい、と思っていました。
半田さんは、栃木県出身で最初下野新聞に入社し、その後中日新聞に移ったそうです。そこで防衛庁担当になり、今や著述を記すくらい防衛関係のエキスパートになったそうです。東京新聞では、「まるわかり集団的自衛権」という連載をしています。それがとてもわかり易いし、知りたいところをしっかり解説してくれるもので、極めて秀逸です。
その著者が講演をするとなれば行くしかありません。


お題は先述のとおり、「安倍政権と集団的自衛権のトリック」。
7月1日、集団的自衛権容認を閣議決定した日の記者会見を「安倍氏のウソ」といった、極めて直線的な言葉で批判していました。例えば、
(「」内は記者会見での安倍氏の言葉)

●「集団的自衛権が現行憲法で認められるのかという抽象的な議論ではない。現実に起こり得る事態に現行憲法の下で何をなすべきかという議論だ」
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輸送艦で運ばれる日本人母子。これを警護できない自衛隊
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そんな母子いない。
「最終的にはアメリカから断られました」
(1999年3月18日衆院日米防衛協力指針委、中谷元委員)


●「自衛隊がかつての湾岸戦争イラク戦争での戦闘に参加するようなことはこれからも決してない」
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湾岸戦争多国籍軍。では、ホルムズ海峡での機雷除去はしないのか?
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7月14日の衆議院予算委員会にて安倍氏は、
「仮に機雷が敷設された場合、相当の経済危機が発生したといえる。日本に向かう原油の8割はそこを通る。誰かがやらなければ危険はなくならないわけで、我が国の国民生活に死活的影響が生じる」
と表明。
http://www.asahi.com/articles/DA3S11242821.html
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戦闘中の機雷除去は「武力行使」であり、それはただの定義ではなく、機雷を設置した方からすれば除去する方は明確な「敵」であり、確実に攻撃を受ける。それこそ、「戦闘に参加する」ということである。


●「他国を守るために日本が戦争に巻き込まれるという誤解があるが、あり得ない」
↓↓↓
政府の思考停止


<参考>「朝鮮半島で戦争の火花が散り、自衛隊が介入しても日本が無事だと思うならば、それより大きな誤りはない」
(2013年3月17日、朝鮮労働党機関紙「労働新聞」)


●「平和国家としての道を歩んできた。自衛隊の創設、日米安保条約の改定、国連PKOへの参加」
↓↓↓
自衛隊の創設は米軍のGHQ指令によるもの。ただし、いずれも憲法の枠内に収まるとの政府見解が示されてきた。集団的自衛権は次元が違う。


などが講演で語られていました。
安倍氏の話は少し考えればボロがたくさんでてくるし、時間軸を広くもって彼の言葉を分析すれば、矛盾やら誤りがたくさんでてくることがよくわかりました。
約70分の講演でしたが、澱むこともなく実に勉強になりました。
日本の軍事力を具体的な数字で示すなど、安倍氏批判が机上の観念論ではないところが半田さんの良いところだと思いました。


会合には立ち見もでるほどで、400人以上の人が参加していたそうです。
「排斥」「侮蔑」など、攻撃的な「声」は大きいものです。
たとえ同じ数でも、それらの言葉を使う人の側の方から大きな「声」が聞こえてくるものです。
現在はそのような状況だと僕は認識していますが、小さい「声」側の人たちの存在を自分の目で確かめられたのは大変良かったと思いました。