戸田書店来訪日記 26/4/17(木)

子供の頃からお世話になっている戸田書店という大きな本屋(群馬では)に今も行っています。
今後そのお店の来訪日記を書いていきたいと思います。



4月17日(木)


今日のお目当ては、鈴木大拙著『禅』(ちくま文庫)である。ここ数カ月、禅への興味がムクムク湧き上がってきた。過去にもあったので第何期だかわからないが。その度に頭に浮かんできた本が鈴木大拙著『禅』。いい加減買おうと。「禅とは何ぞ?」ということを考えると、古典にそれを求めるのが筋じゃないかと思ったのだ。決してHow Toとしてではないぞ。しかし、戸田書店に入って一直線にちくま文庫エリアに行くのかと言えば寄り道をするわけである。とりあえずいつも見るハードカバーの平積みコーナーへ。ふむふむ。吉行淳之介著『物書きのたしなみ』(有楽出版社)を手に取る。自分の物書きへの憧れに直面するようで少し恥ずかしかった。
「自分のもの以外の材料で書く場合は、「それを自分の身に引きよせ、躯の中にもぐりこませ、醗酵させた上で作品にしなくてはならない。その醗酵に時間をかける余裕があまりないのが通例だから、甘酒でいえば速成甘酒をつくる方法でやらねばならぬ。そのためには、密室にこもって、ウンウンうなる必要がある。」
という帯に書かれた本文抜き出しを読んでグッとくる。今読んでいる子母澤寛著『勝海舟』(新潮文庫)は、子母澤寛さんが勝海舟と一体化したかのような躍動感が際立つ作品。それを極めて好意的に思っていた自分にとって、「発酵」という言葉がとてもしっくりきたのだ。子母澤寛さんの中で勝海舟が発酵していたのか! グッときつつ、お目当てのちくま文庫の棚へ。と思ったが、岩波文庫の棚の前をとあったら素通りできるはずもない。手にとったのは、戸坂潤著『日本イデオロギー論』(岩波文庫)。「戦前日本でファシズムが広がったのが1930年代、それは「日本主義」の蔓延である」といったようなことが岩波文庫の特徴でもある表紙ダイジェストに書かれていた。「今そのものではないか」と思い手に取りパラパラと。のちのちのためにスマホの欲しい本リストへ追加。さらにメーチニコフ著『回想の明治維新』(岩波文庫)もリストへ追加。いよいよちくま文庫棚へ。本の場所は前に確認しておいたのですぐさま手に取りレジへ。しかしそれで終わらないのが本屋さん。雑誌のコーナーで『SIGHT』(ロッキングオン)に目が止まる。「原発、秘密保護法、靖国参拝に反対する私たちは少数派だとは思えない」という表紙コピーに。中身を拝見すると、内田樹さん&高橋源一郎さんの対談が。興味は満々だがロッキングオンのものを買うのは、、、という思いもあり今まで買わなかったが、今回は買うことにした。切羽詰っている自分の思いの表出か。ちょっとどんよりしつつレジへ。


本日の購入本。
鈴木大拙著『禅』ちくま文庫
季刊誌『SIGHT』ロッキングオン
しめて2冊1,514円。