国の施策とTPP

コメ関税引き下げ 政府方針 TPPにらみ500%台


 政府・自民党は4日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉で重要5分野の一つとしている主食用米の関税率について、現行水準の778%を段階的に500〜600%に引き下げる方針を固めた。生産調整(減反)の廃止によって米価は下がるとの見通しから、関税引き下げも可能と判断した。平成5年のウルグアイ・ラウンド(多角的貿易交渉)から維持した高関税政策を大きく転換することになる。
(省略)


産經新聞 11/5(火) (ヤフー掲載)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131105-00000067-san-bus_all



米の関税を現在の778%から500〜600%に引き下げる方針を固めたそうです。


「生産調整(減反)の廃止によって米価は下がるとの見通しから、関税引き下げも可能と判断した。」


そうです。
待てよ、と。実際は、


「関税引き下げをするため=アメリカ様の意向を実現するためにはどうしたらいいのかを考えた結果、減反政策の廃止が効果的だと判断した」


でしょう。
これと同じ流れとして、軽自動車の自動車税増税もあげられると僕は考えています。


【軽自動車の自動車税増税についての推測】


1、2013年1月23日、自民党自動車取得税廃止方針を決定
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130123/biz13012311290014-n1.htm


地方自治体にとっては年間約2千億円の税収減につながるため、必要な財源は「迷惑をかけない対応を別途検討する」(自民党野田毅税制調査会長)としている。」



2、2013年4月12日、日本とアメリカ、TPP参加への事前協議合意
ここで日本は、


・ 乗用車2.5%、トラック25%というアメリカの関税が当面、維持されること
日本郵政グループのかんぽ生命保険の新商品販売を凍結すること


の2点を受け入れたと報道されています。
恐らく、7月に発表された郵便局でアフラックの商品販売を拡大するという取り決めもこの時になされたもの僕は推測しています。



3、2013年10月17日、総務省軽自動車税増税案をまとめる。
http://www.asahi.com/politics/update/1018/TKY201310170565.html


「政府は、自治体に入る地方税自動車取得税を15年10月に廃止することを決めている。取得税の廃止で自治体の税収は年1900億円減るため、総務省軽自動車税増税で一部を穴埋めしたい考えだ。」


という3段階を取り上げました。
1月に自動車取得税廃止、4月にアメリカとのTPP参加への事前協議
10月に軽自動車税増税という流れ。
僕は、1月の自動車取得税廃止は10月の軽自動車税増税とセットだったものと推測しています。
なんでこんなことをしたかと言えば、一重にアメリカ様のご意向に沿うことのためです。
アメリカはTPP以前より軽自動車について、なにかといちゃもんをつけてきていました。TPP交渉に入れば、アメリカがそれを言い出すことくらい内情を知らない僕にも分かります。
当然に自民党もそんなことは分かり切っているのでしょうから、
4月の事前協議前に軽自動車税増税への布石を打っておいたのではないでしょうか。
それが1月の自動車取得税廃止です。
それがアメリカ様のご意向を忖度した日本の対応なのか、
アメリカ様から「軽自動車なんとかしろよ。しっかり考えておけよ」に対する対応なのかは分かりませんが。
その後、晴れてTPP参加のお許しが出て、10月になっていよいよ本丸の軽自動車税増税を表明したのではないか、という流れです。


「軽自動車優遇をどうにか止めたいのだけど、どうしたものか??
 何もないのに増税もできないから、何かの穴を埋めるために増税するという
 ことにしよう。どこに穴を作りかな? 消費税も上げることだし、それとあわ
 せて自動車取得税を廃止にしちゃおう。それで穴を作って、それを補填する 
 ということで、軽自動車税増税することにしよう。自動車取得税地方税
 だし、それを補填するのは「地方を救うためです!」という大義名分もでき 
 るし。これで少しはアメリカ様のご意向に沿う事ができそうだ。イヒヒ」


という物語を推測しています。
「軽自動車優遇をどうにしたら止めることができるのか」から始まっカラクリなのではないでしょうか。


減反政策廃止も軽自動車税増税もTPPというか、アメリカの意向に対してどのように応えるか、とう観点から考えられたことのように思えてなりません。
減反政策廃止も軽自動車税増税も国のシステムの変更です。
これは「TPPは国のシステムの変更を強いる協定」ということの好例だと思います。
政府や自民党、省庁の施策がどのようにTPPと絡んでいるか、という観点でもチェックしていく必要が今後ますます重要になると思います。