階段をのぼる

航空自衛隊:戦闘機を先島諸島に配備検討 尖閣を警戒で」
毎日新聞 2013年01月16日 02時32分 
http://mainichi.jp/select/news/20130116k0000m010121000c.html


政府は尖閣諸島沖縄県石垣市)の警戒監視を強化するため、航空自衛隊の戦闘機部隊を沖縄本島より西の先島(さきしま)諸島に配備する検討に入った。中国機が尖閣周辺の日本領空に接近した際、現在は空自那覇基地那覇市)からF15戦闘機が緊急発進(スクランブル)して対応している。だが、同基地は尖閣から約420キロと遠く、到着に時間がかかるため、より近い下地島(しもじじま)空港(宮古島市)などへの配備が可能か来年度予算に調査費を計上する。【青木純】


 中国は尖閣諸島の領有権を主張しており、同国機が日本領空に接近する事案が増加している。しかし、領空接近を空自が察知して発進させるF15は、最高速度で飛んでも現場まで20分程度かかる計算だ。


 昨年12月13日には中国機が初めて日本領空を侵犯。自衛隊レーダーが捕捉できずスクランブルが遅れたことに加え、距離が遠かったことから、F15が到着した時は中国機は領空外に出た後だった。防衛省幹部は「距離はどうしようもない。より近くに部隊を展開できるかを考える必要がある」と語る。


 このため、防衛省は13年度概算要求に、尖閣により近い先島諸島への部隊配備の調査費として数百万円を計上する方針。下地島空港新石垣空港(同県石垣市)や宮古空港(同県宮古島市)など、先島諸島の全既存空港が調査対象となる。新たな調査を行うこと自体が中国側へのけん制となる点も考慮し、配備先や時期を慎重に検討する。


 同省が「第一候補」(自衛隊幹部)として有力視するのは下地島空港だ。下地島沖縄本島と台湾の中間地点に位置し、尖閣諸島までの距離は約200キロと那覇基地のほぼ半分。県内の離島空港で唯一、戦闘機の運用に支障のない3000メートルの滑走路がある。


 同空港の民間定期便は利用客の低迷から運休中で、民間の飛行訓練以外にほとんど使われていないことも「好条件」とみている。


 しかし、同空港は建設前の71年、当時の琉球政府と日本が交わした「屋良(やら)覚書」で、軍事利用をしないとの取り決めがある。空港を管理する沖縄県は「覚書は今も有効で、自衛隊の利用は認められない」(知事公室)との立場で、県側の理解を得る作業は難航が予想される。

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こうやって一歩一歩、一段一段階段をのぼっていくのですね。


日本機と中国機の「偶発的」接触の確率が格段にあがります。
日本側のこのような措置が、中国側に「刺激された」という理由を与え、より多くの航空機が飛来するようになることは目に見えています。
それでさらに「偶発的」接触の確率はあがります。
「偶発的」接触を演出しやすくなる、ともいえます。
確信をもたれた「偶発」と、確信と無縁な「偶発」が入り交じり、
新たな「偶発」を生み、気付いた頃にはそれが「必然」にかわり戦争とは始まるものなのかもしれません。


生まれてこのかた、戦争というものを体験したことはありませので、どのようなにそれが始まるのか、確信はもてませんが、この階段をのぼり切ったところにもしかしたらそれがあるのかもしれません。
「戦争」というものが思考の枠組みの外に置かれている現代(現在)の日本人には、「戦争が起こる」ということももちろん枠組みの外にあるのでしょうが、意外とすぐそこで佇んでいるのかもしれません。