「問題」がなくなる。

北方領土の日、「島を返せ」たすきの使用中止

  • 昨年の「『北方領土の日』根室大会」で「島を返せ」のたすきと、「返せ!北方領土」のはちまきを身に着けた参加者。今年の大会ではいずれも使用しないことが決まった
    昨年の「『北方領土の日根室大会」で「島を返せ」のたすきと、「返せ!北方領土」のはちまきを身に着けた参加者。今年の大会ではいずれも使用しないことが決まった

 北海道根室市は2月7日に開催する「『北方領土の日根室管内住民大会」で、例年、参加者が着用している「島を返せ」と書いたたすきの使用を取りやめることを決めた。はちまきも「返せ!北方領土」から「平和条約の早期締結を」などに変更する。今月22日の日露首脳会談で、両国が平和条約締結交渉を加速させることを確認した。これを受け、地元として交渉の行方に期待する姿勢を示したものだ。

 

 同市の石垣雅敏市長が29日、定例記者会見で明らかにした。ただし、これらの変更が決まっているのは今回のみで、来年については未定としている。

 

 大会は、同市など根室地方1市4町で構成する「北方領土隣接地域振興対策根室管内市町連絡協議会(北隣協)」が主催している。

 

 北隣協は、昨年12月1日に東京都内で実施した「北方領土返還要求中央アピール行動」でも、シュプレヒコールで従来の「北方領土を返せ」という表現を取りやめた。

 

 こちらも、今後の日露平和条約締結と領土交渉に関する動きを地元として見守る意図からとしている。

 今回の「『北方領土の日根室管内住民大会」は、「根室管内の住民が一堂に会し、北方領土問題の早期解決に対する思いの表明」を主たるテーマに掲げ、1000人の参加者を目指している。

 

 弁論大会には昨年、安倍首相を表敬訪問し領土問題解決を訴えた中学生も登場する予定となっている。

2019年01月30日 20時53分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
 

 

 

こうやって「北方領土問題」は「問題」でなくなっていくのですね。

さらに「北方領土」ではなく「クリル列島」となるのでしょう。

 

私が子供のころは、「歯舞!、色丹!、国後!、択捉!」と子供が元気に発生するテレビコマーシャルがありました。政府広報のものだったと思いますが、それをいつの間に安倍政権は「問題」でなくしたのでしょうか。

何か「説明」はありましたか?

ロシアのプーチン大統領と25回だか会ううちに「北方領土問題解決」ではなく、「日ロ平和条約締結」が目的になったようです。

その結果が、歯舞島、色丹島の「返還」ではなく「引き渡し」ですか。

主権はロシアのままで、貸すのだか、何だかで。

面積でみると、歯舞群島は95㎢、色丹島は251㎢。

北方四島の総面積が5,003㎢ですので、たった6.9%です。

【参考】北方領土の大きさ | もっと知ろう 北方領土 | 標津町の紹介 | 標津町役場-北海道標津町役場のホームページです

 

当初は全てを「返還」させることを目的としていたのに、今では6.9%を「引き渡し」てもらうことがゴールになっています。

このバーゲンの「説明」はありましたでしょうか?

外交内容などではありません、このバーゲンについての「説明」です。

外交状況は交渉の末、刻々とかわっていくものなのでしょう。

変わったことを「説明」することは担当者の責任でしょう。安倍内閣に「責任」などということを言っても詮無いことはこの6年で嫌というほど見てきましたが、「責任」を無視するどころか、今度は「手柄」にしようとするのだから、まあ、白い目で見るしかありません。

 

冒頭に引用した記事からも明らかでしょう。

安倍氏が、「領土返還」から「条約締結」にシフトしていることは。

「条約締結をした首相」として喧伝するのでしょう。

尖閣諸島が!」「竹島が!」とえらい剣幕でわめきたてる人たちが、なぜ「北方領土が!」と言わないのかは謎ですが(まあ、謎なんかではなく、ただの中国嫌い、韓国嫌いなだけで、領土なんて何でもよいのでしょう)、彼らも「条約締結をした首相」を誇りに思うことでしょう。

 

たいした「長期政権」です、たいした「外交の安倍」です。

「ウラジミール」と呼んでも何も意味のないことがあらわになった今、それでも「ウラジミール」と呼び続ける彼の声がラジオから流れてきます。

歯舞、色丹
歯舞、色丹