映画

映画『新聞記者』がなぜ [特別]なのか?

映画『新聞記者』を観ました。(以下ネタバレあります) 先週金曜日6/28(金)から公開になった映画です。公開前から話題になっていた映画なので、なんとなく知っているという方もいるのではないかと思います。その話題になっていた大きな理由は、現在進行形…

法を犯した俳優の作品は回収をしなくてはいけないのか?私見

ピエール瀧さんが、3/12(火)に麻薬取締法違反の疑いで逮捕されました。 僕のピエール瀧初体験は、電気グルーヴであり、記憶の中では「KARATEKA」という曲です。1992年のリリースだそうです。その曲の 社長のふりして会社でいばる「KARATEKA」 という、凄ま…

今日の一作 〜 映画『日本のいちばん長い日』

※ ネタバレあり ここのところ、『野火』、『グローリー』と立て続けに素敵な映画を観ましたが、この作品もその流れに十分入る映画です。 「このタイミングだし観ておこう」くらいで観に行ったのですが、いやはや驚きました。 実に素晴らしい映画で。日本の戦…

今日の一作 〜 映画『SHOAH』

「ショア」と読みます。 まずこの映画の特徴をいくつか列挙します。 1、 映画全編で9時間27分 2、 インタビュー、風景映像のみで構成。音楽、ナレーション、一人語りなどは一切なし 3、 予備調査14カ国、350時間に及ぶ撮影 4、 1974年から撮影をはじめ、…

今日の一作 〜 映画『おみおくりの作法』

※ ネタバレあり 「人間の欲望は他者の欲望である」とは、ジャック・ラカンの言葉です。私の欲望は、他者から欲望されたい、他者が欲望しているものに欲望である、つまり、私のストレートな欲望ではない、といった意味でしょうか。 一人きりで亡くなった人を…

今日の一作 〜 映画『アメリカン・スナイパー』

※ネタバレあり 半分しかない頭部、引きちぎられたような上半身、飛び散る血、溢れ出た内臓。 クローズアップ、オートフォーカス、照りつける太陽、完璧な色彩。 つまり、戦争は、そこにいる兵士にしか経験できない。 『帰還兵はなぜ自殺するのか』P333 デイ…

宮崎駿さん、インタビュー(後編)

宮崎駿さんインタビューの後編であり、完結編の書き起こしになります。 (前編 http://d.hatena.ne.jp/narumasa_2929/20150220/1424422738 中編 http://d.hatena.ne.jp/narumasa_2929/20150224/1424785261) 後編では、『風立ちぬ』の話から、現在の日本につ…

宮崎駿さん、インタビュー(中編)

宮崎駿さんインタビューの書き起こし続きです。 (前編はコチラ http://d.hatena.ne.jp/narumasa_2929/20150220/1424422738) 前編、後編のつもりでいたのですが、長く意外と書き起こしに時間がかかるので、前・中・後の3回にします(笑)。 中編はアニメー…

宮崎駿さん、インタビュー(前編)

2/16(月)のTBSラジオ「デイ・キャッチ」という番組内で、宮崎駿さんのインタビューが流れていました。 今週はラジオ業界にとって重要なタイミングのようです。 聴取率をはかる「スペシャルウィーク」なのです。 どこの番組も特別なものを用意してくる週な…

今日の一作 〜 映画『オオカミは嘘をつく』

※ネタバレあり 公式ホームページ http://www.bigbadwolves.jp/ 予告編 2013年製作のイスラエル映画です。「今年(2013年)のナンバーワンだ!」とクエンティン・タランティーノ監督が絶賛した映画として話題なりました。彼が絶賛するくらいなので、一筋縄で…

今日の一作 〜 映画『FURY』

※ネタバレあり※お詫び :以前☆をいただいたのですが、操作ミスで☆を消してしまいました。 せっかくいただいたのに、すみません! 「戦争映画」ではない デヴィッド・エアー監督、ブラッド・ピット主演の映画です。 ストーリーは極めてシンプルです。 「とき…

追悼・菅原文太さん

11/28(金)に菅原文太さんが亡くなったことが本日報道されました。 高倉健さんに続く日本映画のスターが亡くなりとても悲しく思います。 僕は役者の演技の善し悪しがはっきりとは分かりません。 とても知りたいと思っているのですが。 そんな僕に菅原文太さ…

今日の一作〜 映画『ここに泉あり』 その2

前回映画館のことだけで終わってしまったので、今回は映画についてです。 高崎電気館のオープン企画で『ここに泉あり』が無料上映されました。なぜにこの映画がオープン企画という重要であろう役割をあてられたかといえば、それは一にも二にも『ここに泉あり…

今日の一作 〜映画『ここに泉あり』 その1

高崎市に1914年に営業を開始した「高崎電気館」という映画館がありました。 名称からも時代を感じさせますが、(「電気ブラン」というお酒もありますが、明治、大正時代では、「電気」という言葉が‘ハイカラ’なものの象徴だったようです) 第一次世界大戦、…

今日の一作 〜 映画『柘榴坂の仇討ち』

※ネタバレあり 江戸時代から明治時代に移り変わるタイミングを背景にした浅田次郎原作の物語である。タイトルの「柘榴坂」は、東京都港区高輪三丁目と四丁目の境界に存在する坂とのことで、この映画を観て初めて知った。江戸時代には北側が薩摩藩島津家下屋…

今日の一作 〜 映画『ふしぎな岬の物語』

「朝起きて魚を獲って、市場で売って、午後にコーヒーを飲んで、次の日の漁の準備をして、寝るだけ」 江戸時代に生きた人々は、現代から見て幸せだったのだと思う。僕は江戸時代の研究者でも、特別な知識をもつ者でもないが、現代に生きる者たちが感じる「不…

今日の一作 〜 映画『ジャージー・ボーイズ』

※ネタバレあり クリント・イーストウッド監督の作品です。監督としては35作目の作品となるようで、「そんなに撮っていたのか!」という驚きが正直なところです。1971年の『恐怖のメロディ』が初監督作品だったようで、40年以上前から映画を撮っていたのです…

映画『チョコレートドーナツ』

※ ネタバレあり <あらすじ> 1979年カリフォルニア、歌手を目指しているショーダンサーのルディ(アラン・カミング)と弁護士のポール(ギャレット・ディラハント)はゲイカップル。 母親に見捨てられたダウン症の少年マルコ(アイザック・レイヴァ)と出会…

今日の一作〜映画『ハンナ・アーレント』

※ ネタバレあり 昨年のことですが、話題になっていた作品です。 高崎市でやっと公開になりました。たかさきシネマテークという小さいけど、良質な映画を上映する映画館で。 今日観てきました。 <あらすじ> 誰からも敬愛される高名な哲学者から一転、世界中…

すごいDVD

いやはやすごいDVDが出ました。 『プロキノ作品集』です。 日本プロレタリア映画同盟という、1929年〜1934年(昭和4〜9年)の間存続した日本の映画製作・上映をする団体です。 (http://ja.wikipedia.org/wiki/日本プロレタリア映画同盟) 短い期間でした…

今日の一作〜映画『風立ちぬ』

※ ネタバレあり。 先日2回目観にいってきました。 公開から3週間経っていましたが、ほぼ満席でした。 金曜日のレイトショーで安い&来やすいからかもですが(笑)。 実際、先週の映画興行ランキングでも以前1位でしたので、 全国的に観る方がまだまだ多い…

今日の一作〜『終戦のエンペラー』

※ ネタバレあり 観る予定の方は読まない方がよいかもしれません。 先週末、『終戦のエンペラー』を観てきました。 太平洋戦争に敗れた日本に占領政策のため乗り込んできたD・マッカーサーによる、昭和天皇の戦争責任の有無の調査についての映画です。 wikiに…

7/14(日)東京新聞一面記事に思うこと

500年色あせぬ小津作品 監督のこだわり デジタルで復元 映画「東京物語」などで知られる小津安二郎監督の遺作「秋刀魚の味」(一九六二年)などフィルムの劣化が進むカラー四作品を、松竹と東京国立近代美術館フィルムセンターが、五百年は保存できる世界…

映画『リンカーン』と憲法96条改悪案について

※ ネタバレあり。 昨日、映画『リンカーン』を観にいきました。 金曜日夜のイオンシネマは、ポイント2倍で4ポイントもらえます。 (高崎だけ??) 10ポイントで1回観ることができますので、 3回金曜日夜に観にいけば1回無料で観ることができます。 すご…

日本民族の喜びとそして哀しみと

それは小津安二郎監督の『東京物語』を観ることができることであり、 黒澤明監督の『七人の侍』を観ることができることであり、 山田洋次監督の『寅さん』シリーズを観ることができることです。 川島雄三監督の『幕末太陽伝』を観ることができることであり、…

映画を観ること

最近ふと思いました。 「映画の善し悪しの基準に‘ハリボテ感’を置こう」と。 観た映画に関して 「この映画は‘ハリボテ感’があったか??」 という疑問を自分の中で考えてみようという感じで。 ‘ハリボテ感’という言葉は自分で思いついた言葉なので、 なんと…

若松孝二監督死去

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121018-00000010-sph-ent 若松監督の作品は、「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」と「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」の二作品しか僕は観ていません。その中で感じることについて書いてみたいと思います…

今日の一作〜映画『天地明察』(ネタバレあり)

『天地明察』 http://www.tenchi-meisatsu.jp/index.html とても素敵な映画でした。 <あらすじ> 江戸時代中期に貞享暦を創った安井算哲(岡田准一)の物語。 幼い頃より、和算、天文などに熱中する会津藩に庇護される安井算哲は、会津藩主・保科正之(松本…

高倉健さん

今日のNHK「プロフェッショナル」は高倉健さん特集です。 観ています。 涙が出てきます。かっこよすぎる。 僕は高倉健さん出演の映画はだいぶ観てきました。 『日本任侠伝』シリーズ、『昭和残侠伝』シリーズ、『網走番外地』シリーズなど 昭和30年〜40年代…

「批評」のこと

世の中の至るところに「批評」は溢れていますが、 それは一体どういうものなのだろう?? というのが長年の疑問です。 音楽でも映画でも本でも、何ににも「批評」は存在します。 「この作品は一体何なのか?」を説明するのも「批評」だと思いますし、 作品に…